
池上本門寺を読む
短歌・俳句
『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します
短歌 選者 清水麻利子
桜散り根方の花壇はカラフルに
小花咲き継ぎ春のうつろう
小花咲き継ぎ春のうつろう
富田 朝子

大走りの新茶届きてなにはおき
故郷の番を亡夫に供える
故郷の番を亡夫に供える
富田 朝子

戌(いぬ)の日にめでたき報せ孫よりの
弾みし声で我が家に届く
弾みし声で我が家に届く
瀧口 陽耕

予約でも診察待つに気の急いて
呼ばれてほっと足許軽し
呼ばれてほっと足許軽し
辻井 良枝

サブ君に赤い首輪が似合います。
野良猫卒業深緑の道
野良猫卒業深緑の道
菊地 蓮子

地下鉄の出口下見に出かけ行く
新病院に移る医師追い
新病院に移る医師追い
小林みよ子

重い背に梅雨か病(やまい)か判じても
溜息ばかり増し増すつらさ
溜息ばかり増し増すつらさ
西嶋 弘子

若葉薫これでよいのか独り身の
八十四歳悩む夕暮れ
八十四歳悩む夕暮れ
秋山 典子

俳句 選者 能村研三
流鏑馬や糺(ただす)の森を一直線
古居 芳恵

優曇華(うどんげ)や軍歴語る小冊子
阿部眞佐朗

湧水の砂の揺らぎや夏きざす
菊地 光子

魔界やも重き漆黒蛍の夜
小形 博子

紫陽花の藍を深むる雨三日
峰崎 成規

あぢさゐに寄り添うがごと小糠雨(こぬかあめ)
酒井 智章

風薫る水車は水を裏返し
関根 瑶華

睡(ね)る嬰(えい)に時をり涼し海の風
伊藤よし江

不揃ひの学校田や植田風
岩波 博庸

びわ小屋の夜なべ仕事や白熱灯
池田 勝

紫陽花の静けさ香る古刹かな
小川 三代

河鹿鳴く義経宿る馬蹄石
佐藤 浩章

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