池上本門寺を読む

短歌・俳句

『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します

短歌 選者 清水麻利子

夕暮れの垣根に沿いし山茶花の
風に揺られて少し散りけり
秋山 典子
春の日の琵琶湖のさざなみ光受け
小魚跳ねて黄金に光れり
秋山 典子
明るくて春到来を感じつつ
運ぶ足もとうすピンクなり
西嶋 弘子
堪え忍び慈悲の心に生き抜いた
今年は母の生まれて百年
小林みよ子
激動の昭和、平成、令和生く
コロナ禍知らずに父母は逝きたり
村田 邦子
雪だとて悲喜交交に思ふには
日々雪おろし炬燵でみかん
辻井 良枝
「ありがとう」留守番電話に残された
優しい言葉に心ほのぼの
菊地 蓮子
齢(よわい)また老いを重ねし何のその
庭の古梅に花のひとひら
菊地 蓮子

俳句 選者 能村研三

父と子の素振り百回寒月光
古居 芳恵
間引菜や命毛ほどの白根なる
小形 博子
弘法寺の枝垂れざくらの芽吹急
石川 笙児
一生の起点終点鮭帰る
峰崎 成規
砂時計反転魚は氷に上る
阿部眞佐朗
無重力とは綿虫の漂へる
関根 瑶華
春一番すぎて瀬音のかろやかに
伊藤よし江
初午やお稲荷様は男前
酒井 智章
百年の家には百の家構
竹田 絹子
群青の空ひるがへす百合かもめ
岩波 博庸
伝統の軌跡を辿り卒業す
池田 勝

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