池上本門寺を読む

短歌・俳句

『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します

短歌 選者 清水麻利子

ようやくに初冠雪となりし富士
確かめ眺む立冬の朝
浦野 みよ
郵便の値上がり僅かと言うなかれ
老いの楽しみ一つ遠のく
富田 朝子
秋空に超然たるかな木守り柿
はるかに筑波かつしかの野辺
立花三千男
明日には末枯れてしまう向日葵に
自伝に載らない軌跡を想う
小林 良行
神無月三十七回忌の供養終え
卒塔婆の文字に亡母を偲ぶ
菊地 蓮子
能登の人今なお迷う暮らしあり
他人事ならず明日知れぬ身なる
櫻井 俊子
店内にずらりと並ぶ鍋の素
何れが良いのか病む夫のため
筆谷 幸子
十月も半ばを過ぎて夏ごろも
仕舞いきれずにあまた手許に
菊地 宜子

俳句 選者 能村研三

みささぎの大路余さず銀杏散る
阿部眞佐朗
ロボットの配るランチや文化の日
伊藤よし枝
草紅葉風にたゆたふ地平線
峰崎 成規
写真師の笛と太鼓や七五三
酒井 智章
栗駒へ点火の構へななかまど
竹田 絹子
小鳥来る翼めきたる雲流れ
菊地 光子
本堂へ風の冬めく渡り廊
古居 芳恵
木の実降るやう追憶の自づから
関根 瑶華
爽やかに受賞「日本被団協会」
石川 笙児
灯影なきままに幾年常夜燈
小形 博子
木道の継目かたかた冬に入る
岩波 博庸

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