池上本門寺を読む
短歌・俳句
『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します
短歌 選者 清水麻利子
稲の穂の頭(こうべ)を垂れて実るころ
蝗(いなご)や雀にぎにぎしくも
蝗(いなご)や雀にぎにぎしくも
秋山 典子
コンビニに働く人も買う人も
外つ国の人我は何びと
外つ国の人我は何びと
秋山 典子
この命いつしか終わりその日まで
草花共に秋色の下
草花共に秋色の下
菊地 蓮子
夏長く自然なりとも待ちに待つ
季(とき)のうつろい懐かしむ日々
季(とき)のうつろい懐かしむ日々
辻井 良枝
カーテン越しワゴンの音の止まり来て
期待している白衣の笑顔
期待している白衣の笑顔
小林みよ子
縁側で運動会の声援を聞くも
思わず拍手を送る
思わず拍手を送る
西嶋 弘子
忘れいし涼風ひやり頬擦(さす)る
前触れもなく訪(おとな)う秋よ
前触れもなく訪(おとな)う秋よ
櫻井 俊子
施設より外に出ずれば動く街
華やぐ秋に五官も目覚め
華やぐ秋に五官も目覚め
櫻井 俊子
俳句 選者 能村研三
汗顔の至りと言うて蛇穴に
阿部眞佐朗
日照雨過ぐ葉裏に潜む残暑かな
菊地 光子
床の間は住ひの余白小萩挿す
古居 芳恵
今日も笑む遺影の妻や白木槿
石川 笙児
長火鉢に明治の気骨博物館
小形 博子
紅殻格子抜ける素風は紅を帯ぶ
峰崎 成規
底曳網の掛け声高し秋の天
伊藤よし江
お会式やお柱餅は五色たり
酒井 智章
点滴に命あづけてゐる秋思
関根 瑶華
猫の耳色なき風を捕へけり
岩波 博庸
くぽくぽと砂粒立てり底清水
竹田 絹子
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