池上本門寺を読む

短歌・俳句

『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します

短歌 選者 清水麻利子

店先で一言交わすを楽しみに
八百屋にまわり旬もの求む
富田 朝子
五十五年の共に歩みし記念日は
黙す夫と手をかさね居り
髙橋 初枝
晩秋の西日を背に受け影踏みて
急ぎ家路の心は踊る
秋山 典子
背をまるめひょうひょう歩く老いはだれ
ビルのガラスに我に似るひと
立花三千男
手術後の杖つく姿板につき
やさしき人と励むリハビリ
小林みよ子
年末もおまかせばかりお勝手で
カレンダー見て配達日待つ
西嶋 弘子
動かねど肌で感じる年の暮れ
今年も無事で今居るわたし
辻井 良枝
我が妻の卆寿を迎える子等集い
一家の春はよろこびあふる
瀧口 陽耕

俳句 選者 能村研三

金の卵も米寿となりぬ蝉氷
石川 笙児
摂社末社祈り余さず年参
峰崎 成規
丹念に鰐の背洗ふ年用意
阿部眞佐朗
御身拭ひ新年迎ふ仁王尊
酒井 智章
つぶらなる仔牛のまなこ小春かな
伊藤よし枝
侘助を挿して茶席の緊りけり
古居 芳恵
行き戻る骨董市の懐手
小形 博子
冬支度合図のやうに田に煙
竹田 絹子
銀杏散る一心不乱の美しき
関根 瑶華
冬空や鳶一回転の海和ぎて
岩波 博庸
冬の海富獄を覆ふ波しぶき
池田 勝
夕月や校庭白く影を踏む
秋山 典子

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