短歌・俳句(過去の投稿 2017/03)
このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の短歌と俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい
短歌 選者 山中登久子
歌響くテレビを消せばに
外ゆく人の靴音たかし
外ゆく人の靴音たかし
菅谷 妙進
絵画館へ銀杏並木の道つづく
足裏に弾む落葉を踏んで
足裏に弾む落葉を踏んで
柴田さくら
夫送り施設に住みて逝きし人の
雨戸閉じたる空家見上ぐる
雨戸閉じたる空家見上ぐる
飛田 正勝
無理せずを合言葉とし月に一度
友らと集う短歌会楽し
友らと集う短歌会楽し
佃 かね子
九十年尊き命さずかるも
今年の寒さに骨にしみ込む
今年の寒さに骨にしみ込む
檜山 太作
張り替えし障子を見つつ熱燗を
酌みかわしたる亡き夫思う
酌みかわしたる亡き夫思う
斎藤 和代
高菜漬け自己満足かもほっとする
久しぶりなる五体満足
久しぶりなる五体満足
奥 貞子
芳醇なワインの香り愛でにつつ
命の色の燃ゆるかと思う
命の色の燃ゆるかと思う
菊地 蓮子
晴れ晴れと器に盛られし南天に
見ほるるわれはなにも手付かず
見ほるるわれはなにも手付かず
辻井 良枝
俳句 選者 能村研三
足元に気付く幸せ福寿草
峰崎 成規
寒柝の試し打ちして繰り出せり
石川 笙児
風花や若き僧等の打鼓唱題
酒井 智章
巡回のナースの肩のカーデガン
菊地 光子
大寒や幟たなびく国技館
阿部真佐朗
晩学の心の張りや去年今年
柴田 初子
酉の市今年こそはと夢買ひぬ
今里 隆
冬満月さえぎるもののなかりけり
保田 榮子