短歌・俳句（過去の投稿　2020/08）

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺　短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

山中登久子先生の後を引き継ぎ、月刊『池上』 投稿短歌を担当致します。宜しくお願い申し上げます。
　千三百年の歴史ある歌の道の流れを汲む短歌は、時代を詠み、人の世に生きる「われ」 を詠って来ました。困難に向き合う今、 皆様の内なる思いの表現を交流の場として、 気軽に短歌作品をお寄せ下さるようお待ち致しております。

目を瞠る曾孫の筆字生き生きと
祖母と二人の大筆夏書き
切通　耕道
行く道は遥か彼方の空にあり
父母の嘆きも未だ届かず
瀧口　陽耕
巣籠る日手縫いのマスクは水玉地
一針ごとに身を守るかな
菊地　蓮子
手づくりし娘よりのマスク紫陽花の
花柄三つ四つ目元華やぐ
菅谷　妙進
夕籬のぞくさつきの片明かり
春陽ゆるゆる傾きにけり
佐藤　節枝

俳句 選者 能村研三

薫風の抜ける登四郎比翼塚
石川　笙児
湘南の夏透明にして閑か
酒井　智章
鳳凰の揺れにはじまる祭かな
菊地　光子
暗闇に鬼の輪郭栗の花
阿部眞佐朗
大巌をわしづかみして春怒涛
古居　芳恵
武蔵野へ飛び六方のはたた神
関根　瑶華
まだ青き茅の輪に傘をたたみけり
山室伊津子
鑑真忌歴史変れど敬はれ
増島　浄徳