短歌・俳句(過去の投稿 2021/05)
このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい
短歌 選者 清水麻利子
との曇る弥生の空に所在なし
付箋だらけの読みさしの本
付箋だらけの読みさしの本
立花三千男
花好きのあの子に種子をわけてやろう
きっと上手に花を咲かすぞ
きっと上手に花を咲かすぞ
増島 淳隆
今年もまた会えてうれしやマイ雛
はなしかけつつたいらに飾る
はなしかけつつたいらに飾る
菅谷 妙進
久し振り仕様がないね急きを切る
春待ち遠し友と語らう
春待ち遠し友と語らう
辻井 良枝
如月に後期高齢者医療保険
転ばぬ先の足元を見る
転ばぬ先の足元を見る
菊地 蓮子
檸檬の木もとめ育てと伊太祁曾の
神宿る宮あいさつ参り
神宿る宮あいさつ参り
西嶋 弘子
炉開きの椿一輪咲いたるは
季節のおとずれ掛軸に観る
季節のおとずれ掛軸に観る
太田 元
御裾分け隣家のくれし男爵に
ほのかに香る倶知安の風
ほのかに香る倶知安の風
前田 寿之
俳句 選者 能村研三
春はあけぼの夢に濃淡ありにけり
関根 瑶華
啓蟄や強き胎児の足ぢから
石川 笙児
桃咲いて蛇行はるかに川あかり
阿部真佐朗
大屋根に鷺舞い来たり春の寺
酒井 智章
白梅の翳り水面に遊ばせて
岩波 博庸
沈丁やキッチンカーに並ぶ椅子
菊地 光子
初花を訪ひ伏姫に逢ふここち
古居 芳恵
五輪塔の宝珠載せ置く花樒
小形 博子
卒業や柱時計の澄んだ音
小藤真由美
どの牛も眸優しや揚雲雀
阿部 直己
啓蟄や恐るコロナも出口あり
竹田 絹子
境内に声明洩れる春障子
今里 隆