短歌・俳句（過去の投稿　2023/02）

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺　短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

卒寿こえし吾の膝にのせお宝の
小さな命息遣い愛し
櫻井　俊子
閉店のハガキの届く霜月に
正直商いご多幸を祈る
菊地　蓮子
かえされし訪ね当りませんのふみ
友との絆の閉ざされてゆく
菅谷　妙進
なっちゃんも寡婦になりしか木枯らしの
吹き初めし日よ喪中のうわさ
立花三千男
趣味として俳句に短歌ボウリング
文武両道とは大袈裟か
石川正三郎
勤務日の丸印あり辞めてなほ
暦一気に破りてみれば
小林みよ子
思いこめ打ち止め球の弾く音
映えるラケット卓球台に
西嶋　弘子
居ながらにテレビ観戦の紅葉狩り
歩めなくとも元気ならばと
辻井　良枝
筆はじめ竹筆一文字夢を書き
大志を抱け日本の少年
切通　耕道

俳句 選者 能村研三

着ぶくれてこの地離るるつもりなし
関根　遥華
葉牡丹や円周率に果ては無く
峰崎　成規
渡良瀬を渡れば生家暮早し
石川　笙児
煤逃げは許さじ光る仁王の眼
酒井　智章
鵜祭の祈りをつなぐ鵜宿かな
阿部真佐朗
雪吊をして水戸様の邸跡
菊地　光子
露地奥にボール転がる良寛忌
小形　博子
軽トラに犬の乗り込む猟初
古居　芳恵
冬うらら曾孫とふ名の宝珠かな
伊藤よし江
産土の言葉織り込む手毬唄
竹田　絹子
おおらかに鳶旋回の小春凪
岩波　博庸
冬至から全ての運が良く変はり
椎名　恵和