短歌・俳句(過去の投稿 2024/07)
このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい
短歌 選者 清水麻利子
軽鴨の親子に見える一列の
自転車走り母(かあ)さんまって」
自転車走り母(かあ)さんまって」
櫻井 俊子
亡き父の独り碁を打つ横顔に
無着に似たる面差しありき
無着に似たる面差しありき
櫻井 俊子
診断を聴くに付き添いくるる息(こ)よ
熱を出しては連れ来し病院
熱を出しては連れ来し病院
小林みよ子
弟妹の四人を合わせ三百五十歳
「ライン」のグループ幼なにかえる
「ライン」のグループ幼なにかえる
富田 朝子
暮れそうで暮れぬ春の日永くして
夕陽を眺め鬱は潤めり
夕陽を眺め鬱は潤めり
富田 朝子
義姉(あね)逝きしひつぎの顔もほゞえみて
旅立つ先に花手向けたり
旅立つ先に花手向けたり
瀧口 陽耕
何はさて亡父も相撲の中継に
テレビ離れず小錦のころ
テレビ離れず小錦のころ
立花三千男
しばらくは小康らしや思えらく
しかと見たきぞ米寿の春を
しかと見たきぞ米寿の春を
立花三千男
目出たかり優しき伴侶ともない
孫娘もう年頃なるや
孫娘もう年頃なるや
辻井 良枝
俳句 選者 能村研三
若葉風添へて大幣祓ひたり
峰崎 成規
ふらここを漕いで心は無重力
関根 瑶華
席ゆづる連鎖生まるるもどりの日
阿部眞佐朗
「持っとけ」と言ふ春筍の重かりき
石川 笙児
卯波立つ女将の愛し捨てし海
古居 芳恵
朝掘りの筍負ひて説教師
酒井 智章
芽柳の揺れのなまめき銀座うら
菊地 光子
チューリップ歌声あらばソプラノか
伊藤よし枝
夏うぐいす声をかぎりの兵舎跡
小形 博子
立山の白き峰までチューリップ
竹田 絹子
鉄腕の一人加はる祭りかな
岩波 博庸
浜風に鳶の旋回植田かな
池田 勝