短歌・俳句(過去の投稿 2018/12)
このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の短歌と俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい
短歌 選者 山中登久子
常夏の異国の空の風さやか
モスクに祈りの声響きおり
モスクに祈りの声響きおり
瀧口 陽耕
亡き夫の写真に語るわが余生
祈るのみなり朝な夕なに
祈るのみなり朝な夕なに
澤邊 茂野
桜花を好みし夫は本門寺の
桜を撮りて安らかに逝きぬ
桜を撮りて安らかに逝きぬ
千葉 瓊子
戸締りをしたはずなのにもう一度
卒寿になりて確かめんと立つ
卒寿になりて確かめんと立つ
奥 貞子
塩分は日に六グラムとう病院食に
馴れて許さる今日退院の日
馴れて許さる今日退院の日
飛田 正勝
朝の池ポンと香るは蓮の花
白一色に清なる光
白一色に清なる光
菊池 蓮子
手をつなぎ妻と散歩の五十年
変化をつけるダンスパーティー
変化をつけるダンスパーティー
切通 耕道
俳句 選者 能村研三
満堂に凛と包みて臨滅鐘
酒井 智章
蔓引けばいとこはとこや烏瓜
石川 笙児
幕末の志士を肴に温め酒
阿部眞佐朗
若きらに頼り頼られ敬老日
飛田 正勝
白川郷蜂蜜色や豊の秋
山室伊津子
野佛の目の高さで見る秋野道
今里 隆
名月や文房四寶照らされて
切通 耕道
被災地と同じ空なり月見上ぐ
辻井 良枝
今生の鎮魂歌なり虫の声
畠山 恵美
秋深し夜空に響く寺の鐘
友口 信雄