短歌・俳句(過去の投稿 2022/01)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

核家族出水平野に鶴来たる
天黒黒と一万のつる
切通 耕道
マスクする鼻の辺りのとんがりの
鳥類われらを猫は如何に見る
水野 博子
テレビ欄その俳優の名をさがす
やさしい笑みは亡夫に似て好き
菅谷 妙進
待てどなお妻の輪廻はおりふしに
ガラス戸たたく夜半の風やも
立花三千男
八十路越え吾の歳をかへりみて
あだし野をゆく友輩の跡
瀧口 陽耕
千塚のはにわと語りウォーキング
楽しく軽く老いとの歩み
西嶋 弘子
晴れた日の木々の枝葉の間から
こぼれくるなり木漏れ日温くし
辻井 良枝
波音と潮の香りに安らぎを
片瀬漁港の残照の時
菊地 蓮子
野に摘みて息のつくりたる蕗味噌を
共に食みたり春の香ぞする
櫻井 俊子

俳句 選者 能村研三

母さんはいつも素っぴん糸瓜水
石川 笙児
穫りたての柿と笑顔のご接待
酒井 智章
赤錆の橋そのまま冬に入る
阿部真佐朗
影を連れ影を追ひたる秋遍路
関根 瑶華
菊師来て義経の肩整へり
岩波 博庸
初萩の細雨にけぶる花頭窓
古居 芳恵
思ひ出は葡萄の粒で足らぬほど
小藤真由美
ページ操る最終章や夜長の灯
菊地 光子
日溜まりの移築古民家返り花
小形 博子
飄々と歩き続ける?の穂
阿部 直己
白神は黄金に暮れ冬隣
竹田 絹子
濁世棄て蛇はゆるりと穴に入る
山室伊津子
銀杏の葉陽射しを浴びて眼に眩
椎名 恵和