短歌・俳句(過去の投稿 2024/06)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

五人の孫にはまぶしき若さあり
夢みる先は皆晴れがまし
櫻井 俊子
がん研の待合室に交う人の
老いも若きも生き生きと見ゆ
馬場はじめ
老活はまず行動と言い聞かせ
パン工房の違い楽しむ
立花三千男
自転車でモッコウバラの咲く道を
リハビリに通う膝痛めども
小林みよ子
郷里より娶りし妻と六十年
大森の地に手厚く葬る
石川正三郎
床に臥す母を見舞いて慌しく
ありしあの頃今悔まるる
富田 朝子
天災のいつ振りかかるやも知れぬ
心ひきしめ吾のこととして
辻井 良枝
詠み連ねそしてまた詠む自分史の
老いゆく我の影忘れまじ
秋山 典子
早朝に桜を愛でし太鼓橋
老いの身いつまで今花筏
菊地 蓮子

俳句 選者 能村研三

菜の花や玩具のやうなローカル線
菊地 光子
咲き散りて齢また積む桜守
峰崎 成規
道切りや穀雨のつつむ村境
古居 芳恵
鳶の輪の中存分に蓬摘む
石川 笙児
花散るを惜しみて馬込文士村
酒井 智章
初桜島に法華の寺一つ
小形 博子
武蔵野は微熱を帯びて芽吹き初む
竹田 絹子
雲丹怒る棘十方に震はせて
伊藤よし枝
掛軸の家門のほまれうららけし
岩波 博庸
春風に芽吹く樹木は背伸びする
秋山 典子