短歌・俳句(過去の投稿 2018/04)
このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の短歌と俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい
短歌 選者 山中登久子
今はただ長く生きたと思う日々
昭和三年遠くなりゆく
昭和三年遠くなりゆく
奥 貞子
娘と孫と三歳のひ孫元気よく
曽祖父母宅へ福運はこぶ
曽祖父母宅へ福運はこぶ
切通 耕道
三十年暮らした我が家をみつむれば
茶白の猫が正座して去る
茶白の猫が正座して去る
橘 嘉朗
平凡に過ごせし今日を悦びぬ
寒き一日をテレビに見入る
寒き一日をテレビに見入る
佃 かね子
歯科、内科、整形外科に泌尿器科
なべてこなして米寿迎える
なべてこなして米寿迎える
飛田 正勝
香り立つ味噌汁の味母の味
なくてはならぬ我が身のちから
なくてはならぬ我が身のちから
石渡 セン
初雪の降り積もりけり晴れた朝
悦びあふるる小平の街
悦びあふるる小平の街
桜木 園子
餌皿に対のメジロがとび遊び
「ようこそここへ」そっと微笑む
「ようこそここへ」そっと微笑む
菊池 蓮子
部屋整理旧きを温ね君を知り
距離を縮める決意新たに
距離を縮める決意新たに
五戸 将弘
俳句 選者 能村研三
畦道の深き轍に薄ごほり
石川 笙児
篠笛のゆるりと魚は氷に上り
阿部眞佐朗
きさらぎの貝の形の和三盆
菊地 光子
水かけの仏囲みて蕗の薹
酒井 智章
春立つや箒目白き尼の寺
飛田 正勝
哲学か仲間外れか残る鴨
山室伊津子
雨水のバケツに張りし氷面鏡
辻井 良枝
石佛の彫のなめらか春うらら
今里 隆