短歌・俳句(過去の投稿 2022/02)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

地域猫見守る日々の二十年
最後の猫を見取る霜月
菊地 蓮子
銀杏葉と戯る子らの明し声
名残り惜しむか黄昏るるまで
櫻井 俊子
妻あらば子らも馳せ来る聖夜祭
ことしもひとりシャンパンを抜く
立花三千男
「長生きはあなたのお蔭」と亡き夫の
ひとこと胸に今年も過ぎゆく
菅谷 妙進
この世にはコロナに勝る敵はなし
令和の冬はなお道遠し
瀧口 陽耕
タマスダレ更地に咲きし残り株
たくましきかな吾れもがんばる
辻井 良枝
拝礼に香をたむける我がこころ
静かな鼓動よ香気室に満つ
西嶋 弘子
藁草履はきて登校 雨の日は
はだしではしゃぐ戦後の子供ら
村田 邦子
デーケン師死生学問ひ逝き一年コロナ禍熄まず人事尽くさむ
村田 敏行

俳句 選者 能村研三

木枯の磨き上げたる空一枚
関根 遥華
冬もみじ映せる廊の黒びかり
古居 芳恵
風神の化身となるや白鳥来
阿部真佐朗
浅学を悔いたる八十路霜柱
石川 笙児
御礼の高野雪舞ひ遍路終ふ
酒井 智章
初夢やマスクを放るカウントダウン
小形 博子
カーテンで仕切る病床室の花
菊地 光子
どの道も冬夕焼の影を引き
岩波 博庸
新聞に感謝の重み初御空
小藤真由美
御朱印に嬉々たる妻や冬日和
阿部 直己
鳶の笛冬の深きに入りにけり
竹田 絹子
水仙花心清めて挿したりき
池田 勝
余生こそ風雅に生きむごまめ食む
立花三千男
コロナ禍の神輿を出さない夏祭む
秋山 典子
ゆっくりでいいよ夫の伝言雪蛍
山室伊津子