短歌・俳句(過去の投稿 2018/10)
このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の短歌と俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい
短歌 選者 山中登久子
夕立や わが影空に失せにけり
一人ぼっちの時は過ぎゆく
一人ぼっちの時は過ぎゆく
五戸 将弘

死ぬほどの暑さにあへぐ今夏なり
八十路の臥したる妻を看取りぬ
八十路の臥したる妻を看取りぬ
石川正三郎

新牛蒡香り豊かに久しぶり
台風過ぎてホット一息
台風過ぎてホット一息
石渡 セン

立秋や 老人ホームの書道部員の
ひたすら励むに感動おぼゆ
ひたすら励むに感動おぼゆ
切通 耕道

雨、風も猛暑はげしき街中を
バイク静かに新聞配る
バイク静かに新聞配る
奥 貞子

友人と久しく会わぬ刻かさね
便りのなきに心淋しく
便りのなきに心淋しく
瀧口 庸行

十八歳まで生きたる猫を看取りたり
尻尾のような文月の雲は
尻尾のような文月の雲は
菊地 蓮子

俳句 選者 能村研三
大海はこだま帰さず青岬
石川 笙児

父の手記読み返しをり敗戦日
阿部眞佐朗

譲らるる優先席の大西日
菊地 光子

塗り替えし総門古色秋立ちぬ
酒井 智章

五山送り火真近で拝すこの恵み
辻井 良枝

極暑の日西郷隆盛展見る
今里 隆

夕空が好きでかなかな観世音
山室伊津子

明日よりも現在を生きよと蝉しぐれ
椎名 則三
