短歌・俳句(過去の投稿 2024/01)
このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい
短歌 選者 清水麻利子
「淋しい」と独り居嘆けばきっとして
「侘しい」ではと九十二の友
「侘しい」ではと九十二の友
富田 朝子
秒速でものわすれあり言葉さえ
接ぎ穂失くしてむなしく笑う
接ぎ穂失くしてむなしく笑う
菊地 宣子
還暦の娘の歳をつくづくと
想う我が身のおとろへをみる
想う我が身のおとろへをみる
瀧口 陽耕
酷暑なか屋根外壁の足場とれ
生きてる内の仕舞いの工事
生きてる内の仕舞いの工事
秋山 典子
母遺す老眼鏡の合う日後少し
思い出しては時おりかくる
思い出しては時おりかくる
小林みよ子
夕暮れし草むらの街元気づき
さあ、コンサートしばし聴き入る
さあ、コンサートしばし聴き入る
辻井 良枝
ワンピース乙女心に火がついた
かわいい絵柄を今日も着てゆく
かわいい絵柄を今日も着てゆく
西嶋 弘子
珈琲にキムチが合うね万智さんの
顰に倣うきょうは記念日
顰に倣うきょうは記念日
立花三千男
木の精を宿し現世を見つむらむ
眼差し細き円空仏は
眼差し細き円空仏は
櫻井 俊子
俳句 選者 能村研三
タワーより釣瓶落としとともに降り
峰崎 成規
かじき跳ぶ嘴の刃を高々と
古居 芳恵
皓々と月のぼりたる晩翠忌
石川 笙児
速打ちの三三七や酉の市
酒井 智章
七寸の通しは柱よ走り蕎麦
小形 博子
天空へ光塵となり冬の蝶
関根 瑶華
締め込みをぽんと叩いて冬に入る
阿部眞佐朗
夢殿に浄土の妙音冬ぬくし
菊地 光子
鮟鱇の骨の神秘をしやぶりけり
竹田 絹子
画架立てて小春の空を引き寄する
岩波 博庸
一番星置きて消へゆく浜焚火
伊藤よし枝
木道と共に歩める秋の風
辻井 良枝