短歌・俳句(過去の投稿 2024/04)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

明けそめし空を自由にとびまわる
鳥の名知らねど翼借りたし
櫻井 俊子
龍笛の妙なる調べにつつまれる
睦月の夜の平安の下
菊地 蓮子
訪れて座る椅子にぞなつかしさ
ラウンジながめ一息入れる
西嶋 弘子
半ドンの仕事を終えて自が為に
四時間かけて通いくる娘よ
富田 朝子
ハゲ山は枯木の如く薄くなり
互いに見合わす友と我あり
瀧口 陽耕
よく寝てね!言い残し帰る幼子の
後ろ姿をしばし見送る
馬場はじめ
孫に引かれ露天に歩む幸せよ
湯けむりたちてしばし涙に
辻井 良枝
いささかの小波あれど穏やかに
あるがままにぞ寡夫の暮らしは
立花三千男
戸惑いはITの世よおそるべし
ラインを知らぬぼくは圏外
立花三千男

俳句 選者 能村研三

左義長のゆらぎへ託す祈りかな
澤田 英紀
二筋のひこうき雲や雪解光
阿部眞佐朗
春昼やエレベーターに浮遊感
石川 笙児
谷水はかすかに春の音宿す
峰崎 成規
裂帛の気合水行出行会
酒井 智章
退屈のなき老後となり春の雪
菊地 光子
残る鴨さびしくなればまた潜り
関根 瑶華
花ミモザ三角屋根の風見鶏
小形 博子
灘めざす水脈の真つ直ぐ鰆船
古居 芳恵
雨音を揺り籠とする朝寝かな
岩波 博庸
ほんのりと紅さす和菓子春隣
竹田 絹子
ランナーの高き足音花菜道
伊藤よし枝