短歌・俳句(過去の投稿 2024/08)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

開け放ち英気いただく真澄かな
青水無月のしののめの空
立花三千男
今もなほ耳朶ゆ離れぬ亡妻の声
今夜の馳走なにがお好み
立花三千男
涼しさに照れくささにも手にとれり
京の団扇(うちわ)はわたしの味方
西嶋 弘子
紫陽花の大輪広げ天仰ぎ
六月半ばの空は輝く
瀧口 陽耕
学童に読み聞かせする吾の膝に
幼児は掴まり絵本のぞけり
櫻井 俊子
本読めば子等は静まり一斉に
耳と瞳が吾の声つかむ
櫻井 俊子
幸あれと希(ねが)ふ鐘鳴り歩みゆく
女孫の頬にキラリと涙
辻井 良枝
雀たち朝のメロディー有難う
気分爽快チュチュとさえずり
菊地 蓮子
両膝の手術日決まりて光射す
医師の笑顔に癒やされており
小林みよ子

俳句 選者 能村研三

神事の矢放ち濁世の夏祓ふ
阿部眞佐朗
郭公鳴く賢治の里に深入りす
石川 笙児
薄明に日の射す一条蓮咲けり
古居 芳恵
巡拝のほつと一息七変化
酒井 智章
囮鮎挑みを誘ふ水しぶき
峰崎 成規
降りこぼす雨きらきらと花みづき
関根 瑶華
真ん中に揺り籠おかれ夏座敷
菊地 光子
貝風鈴一人の部屋を広くして
伊藤よし枝
自然石の刳貫き手水七変化
小形 博子
漆黒の尾瀬の蛙の地鳴めく
竹田 絹子
切れ味を研ぎ師のためす夏大根
岩波 博庸