短歌・俳句(過去の投稿 2023/01)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

お会式のポスター並ぶ展示場
浮世絵・古写真今日は佳き日ぞ
菊地 蓮子
錦秋の吾妻連峰赤くそめ
夕日輝く夜行列車かな
切通 耕道
黄金の光となりて銀杏ふる
神宮の森幽玄極む
菊地 宜子
ダンディーな夫はフレンチ帽子のせ
チェックのブレザー着こなし棺に
秋山 典子
病癒えまた口喧嘩出来るのも
快復なりて日々を感謝す
辻井 良枝
黄昏に名を忘れたる人に会い
会話ははずむ散歩の途中
村田 邦子
しくじりて落ちこむあとに明日のため
役立てんとう我を許せり
櫻井 俊子
着る着ない思いきろうぞ整理ゆえ
懐かしき日を心に残す
西嶋 弘子
ユニフォーム脱ぎし背中はさわさわと
介護職員別人のよう
小林みよ子

俳句 選者 能村研三

こめかみに銀の一滴能登時雨
阿部真佐朗
田仕舞の煙棚引く津軽富士
石川 笙児
銀杏散る一夜で返す空の蒼
峰崎 成規
裏方をつとむ茶会や菊日和
古居 芳恵
此経難持坂落葉は渦を巻くごとく
酒井 智章
地を蹴って影を飛び出す青鷹
関根 遥華
日蓮聖人の読経の岬冬の日矢
小形 博子
きらきらと峡の陽ちらし紙を漉く
伊藤よし江
酉の市濁声まじる啖呵売
岩波 博庸
キララかに棚田に降りし冬銀河
池田 勝