短歌・俳句(過去の投稿 2016/10)
このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の短歌と俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい
短歌 選者 山中登久子
養源寺の花壇に並ぶ鳳仙歌
赤白ピンク猛暑に負けず
赤白ピンク猛暑に負けず
村上登三江
老いの日々ひとりは気楽と言いながら
伸べくるる手の温もりを恋う
伸べくるる手の温もりを恋う
佃 かね子
わがことを米寿や良しと皆の言う
ほどほどと笑える程程の幸
ほどほどと笑える程程の幸
奥 貞子
もみあげを刈り上げている孫に会う
学生最後の夏休み来て
学生最後の夏休み来て
菅谷 妙進
九十九里とうその長浜に寄せる波の
白く寄せては返す真夏日
白く寄せては返す真夏日
飛田 正勝
住みなれた町を意味なく彷徨えば
新たなる世界へ私を誘う
新たなる世界へ私を誘う
天間 泰湧
出来立ての句をいくたびも読み返し
これで良しとす秋の夜かな
これで良しとす秋の夜かな
石川正三郎
朝明けの白き空気に香を放ち
蓮の花咲く清清として
蓮の花咲く清清として
菊地 蓮子
旧盆に庭で送り火焚きおれば
花火ですかと中年の主婦
花火ですかと中年の主婦
檜山 太作
ひとしきり昔をしゃべり又ねという
定期便のような電話この頃
定期便のような電話この頃
金子 文子
みんなみの空をめざして特攻の
若き兵(つわもの)露と消えゆく
若き兵(つわもの)露と消えゆく
瀧口 庸行
和綴ぢの書開き亡き師に糾したき
こと浮かびくるひたすら読めば
こと浮かびくるひたすら読めば
柴田さくら
母の日に野球見物家族会で
齢をとるなと息子無理言う
齢をとるなと息子無理言う
斎藤 和代
老僧のなごり惜しみて手をふりし
片手ハンドル心かよわす
片手ハンドル心かよわす
西嶋 弘子
俳句 選者 能村研三
雨上がる西郷どんの背に西日
石川 笙児
緑陰の切株風の自由席
山室伊津子
健康で家族で囲む門火かな
酒井 智章
戒名を諳んじてより盆支度
峰崎 成規
歴代の手形爽やか横綱碑
菊地 光子
垣越しに朝の挨拶百日紅
保田 榮子
短夜や二度寝して見る金メダル
飛田 正勝
草笛の草の愁への音色聞く
柴田 初子
新茶来てまずみ仏に備へけり
今里 隆
捥ぎたての茄子の艶やか瑞瑞し
辻井 良枝