短歌・俳句(過去の投稿 2021/01)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

ピラカンサ小鳥ついばみ枝ゆらす
紅い実熟れてもう冬隣
菅谷 妙進
亡き夫の詩吟きこえぬ長き夜
あきむし鳴くを聴きつつねむる
菅谷 妙進
我が爪とおなじ紅いろ咲きほこり
寒蘭の花命はぐくむ
西嶋 弘子
鱗雲一人散歩の気楽さは
もうすぐ師走コーヒー一杯
切通 耕道
前々の願ひ仔犬を飼ひし孫
俄に芽生ゆ母性本能
石川正三郎
忘れるを心配すれば一年生
「ババも誰かに教えるといい」
木下 洋子
十五夜も十六夜月にも祈りたり
コロナ禍果てぬ我が干支の秋
浦野 みよ

俳句 選者 能村研三

寒柝の締めの一打や闇掴む
阿部眞佐朗
母恋へば怒涛のやうに芒原
関根 瑶華
田仕舞の煙たなびく母郷かな
石川 笙児
雪ふぶく幸福駅の文字うすれ
菊地 光子
春を秘め静かに眠る裸の木
酒井 智章
身に入むや昭和赤色ポスト
小形 博子
一駅を延ばす歩幅の小春かな
岩波 博庸
瑠璃色の湖面に山の錦かな
阿部 直己
本堂へ誘ふ明かり石蕗の花
竹田 絹子
肩書きとれて身軽の小春かな
今里 隆
網を干す此処は嘗ての勇魚の浜
池田 勝