短歌・俳句(過去の投稿 2020/11)

このページは、池上本門寺『池上誌』に投稿された過去の俳句です。最新の投稿はこちらの池上本門寺 短歌・俳句をご覧下さい

短歌 選者 清水麻利子

立つてゐるだけで絵になる常夜灯
あやかり生きる卒寿迎へて
飛田 正勝
目の病モウドウ犬に助けられ
正正堂堂街中を歩む
切通 耕道
龍の口法難日我れ生うけし
勿体なくもありがたきかな
辻井 良枝
藤棚に返り咲く藤眺めをり
コロナのニュース聞く猛暑日に
千葉 瓊子
祖父母との夕餉のやりとりよみがえる
雨にひもとく未明の全集
服部眞知子
疎開地の肥後のげんげ田に弟の
子守りはおおかた泣かせて暮れぬ
山崎 蓉子

俳句 選者 能村研三

枯尾花発光体となり揺るる
菊地 光子
むらさきは人を恋ふ色式部の実
関根 瑶華
涼新た美しき義足のランウェイ
石川 笙児
長き夜の滋味掬すべき噺かな
阿部眞佐朗
巡拝の霊山橋や水の秋
酒井 智章
山の辺の畑はいづこも猪の垣
古居 芳恵
晩鐘や袋小路のしその花
小形 博子
秋彼岸大本山をけぶらせて
岩波 博庸
我武者羅な生き方はるか鰯雲
山室伊津子
石庭に落款の色鳥来
竹田 絹子