池上本門寺を読む

短歌・俳句

『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します

短歌 選者 山中登久子

兄と姉つづき葬りて故郷の
遠くなりたりわれは老いつつ
吉野 芳子
夏場所や意気揚々と花道を
小兵力士の姿あっぱれ
切通 耕道
今年またお歯黒蜻蛉ひらひらと
舞うが如くに頼もしくあり
奥 貞子
朝の庭に囀る雀のさわやかに
目玉くりくり小枝飛び交う
菊地 蓮子
久々の熟寝のあした涼しかり
九十余年生かされてをり
澤邉 茂野
夢に来て「俺の歳まで歩いてみろ」と
背中をむける卒寿の父は
飛田 正勝
いろいろのことありしかな盆菓子も
花もビールも仏前に供う
佃 かね子
趣味の友病いたわり訪ね来し
心もはずむ希望に生きむ
石渡 セン
故郷にのこし離れた海原を
思いださせる体感温度
五戸 将弘

俳句 選者 能村研三

筑波嶺の見えて涼しき故郷かな
石川 笙児
古民家のあし裏にある梅雨じめり
菊地 光子
兄さんとなりし子に打つ天花粉
阿部眞佐朗
限りなき汗が唱える盆の経
酒井 智章
水を打つ力まだある米寿かな
飛田 正勝
暑気払ふ手立て無心に研ぐ包丁
山室伊津子
星逢ふ夜嫁がず逝きし友のこと
長門 洋
走り梅雨民家格子のつやを増し
今里 隆
汗もまたうれしきことと老の身は
辻井 良枝

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