池上本門寺を読む

短歌・俳句

『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します

短歌 選者 清水麻利子

沢山の龍の文字(もんじ)に囲まるる
見守り給ふ有難き吾
辻井 良枝
不意をつく地震の被災無惨にも
住まいも人も浚(さら)ってゆきぬ
櫻井 俊子
帰省していざ団欒の時しもよ
能登惨すぎる元旦の地震(ない)
立花三千男
白富士を望む江の島龍口寺
新しき年の清々しさよ
菊地 蓮子
映像に自然の力身にうけて
日々安穏に手合わす夕べ
西嶋 弘子
夕べ見し星の輝き夢にみて
心おどりて庭先に立つ
瀧口 陽耕
「みよちゃん」と我を名づけし人は兄
施設に暮らす二年めの春
小林みよ子
二十年に及ぶ病名認知症の
妻に飲まさん特効薬を
石川正三郎
春休み垣根の上に干されいる
手のひらに載る二足の上履き
秋山 典子

俳句 選者 能村研三

魚は氷に書肆は酒場に変はりけり
阿部眞佐朗
菩提寺の龍の衝立淑気満つ
石川 笙児
百年の店の硝子戸冬日曲ぐ
峰崎 成規
寒晴れの大堂高く鳶の笛
酒井 智章
霜柱ふみてこの世を確かむる
西嶋 弘子
アルバムの人皆逝きて寒夕焼
関根 瑶華
夭折や名残りの空に星一つ
小形 博子
大いなる枯野の果ての大風車
古居 芳恵
冬芽立ち老木確と光り合ふ
岩波 博庸
古書店のドアの軋みや風花す
竹田 絹子
紅葉透く日矢総身に吟行す
伊藤よし枝
手水舎の龍の口元淑気満つ
池田 勝

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