池上本門寺を読む

短歌・俳句

『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します

短歌 選者 山中登久子

君は逝き吾は残りて負い目おう
昭和ひとけた今日敗戦の日
飛田 正勝
古伊万里の青の美学を鑑賞す
真夏の午後の戸粟美術館に
菊池 蓮子
蜘蛛の巣は朝霧に濡れ獲物なく
蜘蛛ただ一匹ひとひゆれおり
佃 かね子
花や野菜育てて季節の歩み知る
曲り胡瓜に秋の気配す
奥 貞子
始まりは十年前の物忘れ
失語の妻は幼なにもどる
石川正三郎
朋友の声なつかしく想いつつ
夕べに交わす一杯の酒
瀧口 庸行
夫逝きて一年経ても恋しかり
手向ける花は曼殊沙華とす
曾山 澄子
去年まで一緒に遊んだじいさんが
冥土にひっこし淋しい実家
増島 淳隆
今日我は八十八歳誕生日
尊き命を無事授かりて
檜山 太作
風鈴の音色ききつつまどろみぬ
浴衣涼しき母の見えくる
石渡 セン

俳句 選者 能村研三

船頭の薀蓄蓮の象鼻盃
石川 笙児
カンナ燃ゆ妻の捨てたる夢いくつ
阿部眞佐朗
夕焼や原爆ドームの屋根透きて
菊地 光子
境内の茗荷振舞ふ施餓鬼かな
酒井 智章
梯子して今年を惜しむ夏祭
飛田 正勝
送り火のゆらめき母のためらひか
辻井 良枝
小流れに笹舟浮かべ盛夏かな
今里 隆
草取りの生命力が強過ぎる
増島 淳隆

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