池上本門寺を読む

短歌・俳句

『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します

短歌 選者 山中登久子

虎杖の太きまま枯れ減反の
田に吹く風の音猛々し
吉野 芳子
去年逝きし義姉の年賀の添書きを
繰り返し読む思いあらたに
柴田さくら
今日の日のしずけさ破りどんど焼き
無駄なく生きむ我の一生
斎藤 和代
五年目のホーム暮らしを反省す
いささか吾もぼけはじめしか
澤邊 茂野
みぞれ雪雨と変われるひねもすを
ひとり籠りて千羽鶴折る
佃 かね子
寒き夜の爪、皹にクリーム塗りつつ
思う春はもうすぐ
奥 貞子
新橋から桜木町まで八里余の
師走を歩く八十路を越えて
飛田 正勝
夢かない喜ぶ孫の声聞きて
思わず合掌溢れ来る涙
村上登美枝
鶯の初音たずねて山ふかく
たどればあまりに厳し料峭
檜山 太作
如月に器求めて河童橋に
手描きの蓮を手にする良き日
菊池 蓮子
我が庭の如く遊びし境内に
いま信仰の心芽生えぬ
増島 淳隆
東北の友の消息尋ねゆき
健やかな声に胸つまりおり
瀧口 陽耕

俳句 選者 能村研三

馴初めを問われてゐたる日向ぼこ
石川 笙児
老僧の擦る墨の香や春の雨
酒井 智章
実印にわづかな擦れ余寒なほ
峰崎 成規
夢ひとつ胸に納めて魚は氷に
阿部真佐朗
若菜摘む万葉人に思ひ馴せ
柴田 初子
落椿ひとつ言葉を托すごと
菊地 光子
別珍の鼻緒くれなゐ久女の忌
山室伊津子
吹き荒れる一番よりも春二番
増島 淳隆
明窓浄机の書斎に年始め
今里 隆

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