池上本門寺を読む

短歌・俳句

『池上誌』に投稿された短歌・俳句をご紹介します

短歌 選者 山中登久子

贈りくれし草餅の味の美味なりし
有難きかなうららかな午後
菊地 蓮子
かの花の記憶もどらず名をさがす
短歌の中にその名見出す
村山奈津子
明け方の雨より変わりし霜月の
降雪めずらし五十四年ぶりとふ
吉野 芳子
妻は耳鼻科夫は眼科の待合室に
コート着しまま呼び出しを待つ
飛田 正勝
春くれば夫の好物タラの芽の
精進揚げを供えつつ嬉し
石渡 セン
生きものに自然治癒とふ技のあり
二十日三十日と指折りかぞふ
石川正三郎
亡き夫と笑みつつ揃いて花見をせり
ひとり病む今テレビに花みる
佃 カネ子
ビルの光湖面に揺れつつほのかにも
波を分けつつかいつぶり浮く
柴田さくら
亡き夫の声の記憶の蘇り
語りかけつつ一人芝居す
菅谷 妙進
齢すすみ趣味そこそこに重ね来て
楽しくもあり友と語れり
奥 貞子
法華経の方便品と寿量品
団扇太鼓を諳んじんとす
村上登三江

俳句 選者 能村研三

五線譜の砂紋に唄ふ桜貝
峰崎 成規
喫茶去の一軸寂びて梅白し
柴田 初子
剥製の鷹の眼うごく春の闇
石川 笙児
春光や画布に盛上ぐ青絵具
菊地 光子
花を活け花に活かされ春障子
酒井 智章
はこべらや大道芸の心意気
阿部真佐朗
暮六つの紙燭のごとき辛夷かな
山室伊津子
はるかなる塔を拝みて青き踏む
今里 隆

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