お檀家とお山の絆を深めるために
第二回終活相談会を開催

 三月五日(月)の午後二時より、長栄の間にて本門寺のお檀家さんを対象とした終活相談会が開催され、七十名のご参加を頂きました。
 第二回目となる今回は、日蓮宗の僧侶で本門寺の顧問弁護士をお務めいただいている長谷川正浩弁護士の事務所に所属する秋山経生弁護士に具体的な事例をあげていただきながら法律に関わるお話しを頂きました。なお秋山弁護士も日蓮宗の僧侶で、相続と祭司事例に詳しい専門家です。

一、菅野日彰貫首ご挨拶
 開会にあたり参加者一同でお題目三唱の後、菅野日彰貫首よりご挨拶があり、「最近言われる〝寺離れ〟は形だけの葬式をよしとしてきた僧侶に原因があります。そもそも大切な人との別れのなかで、亡くなってしまったらそれで終わりなのでしょうか? お釈迦様のお話に幼い子供を亡くした母の話がございます。亡き子を生き返らせたいとお釈迦様の元を訪ね、死者を出したことのない家から芥子の実を三粒もらって来なさいと言われます。探し求めるうちに、自分だけが愛しい人を亡くしたのではないと気がついてゆくのです。沈む太陽を見つめるうちに、亡き子の姿が夕日の中に浮かんできます。そうだ私の、自身の心の中にあの子供は生きているのだ、お釈迦様、あの子が生き返りました。ありがとうございます。今こそこの心を知っていただきたく存じます。私は本門寺を檀家一軒一軒とお話が出来るお寺にしたいと考えています。より絆を深めましょう」と呼びかけられました。
二、法律に関する説明
 秋山弁護士からはまず最初に「相続」の種類について説明されました。「法定相続」と「遺言相続」の二種類があり、今回は法律で定められた相続の方法である法定相続について詳しく説明されました。
三、相続に関する実例
 お話しの中で実例をご紹介いただきました。下記の通りです。
 相談者「父が亡くなり、自宅の土地建物と現金が遺産です。母と独身の次男は自宅で同居、現在も住んでいます。長男の私は家を出て結婚しており子供が二人います。父は母との結婚前に一度結婚しており、娘が一人いると聞いたことがあります。会ったことはありません。このような場合、遺産や墓地はどうなるのでしょうか。遺言書はありません。」
 回答「遺言が残されていなければ法律に従って相続されます。相続人は父の配偶者である母・長男・次男、そして父と直接血縁のある長女となります。前妻は含まれません。遺産の配分は母が全体の半分、残りを三人で等分します。全ての物を一色単に分割することは難しいですから、個々の財産の権利者を決めていく形となるでしょう。なお墓地は相続に含まれません。」
四、「お墓」はどう相続されるのか
墓地は「その土地を使用する権利」と「その土地の上に建てた墓石」によって成り立ちますが、これらは「祭祀財産」と呼び、相続の対象にはなりません。そのため、墓地を継承する場合、基本的にお寺に檀家登録されているご家庭内から継承者を決め、変更の手続きを行っていただきます。
五、質疑・応答
「本門寺の場合、墓地の継承はどう行うのか、また当主が生前に子供へ継承できるのか、嫁いだ娘が継ぐことは可能ですか?」との質問がありました。
 本門寺の場合、生前であっても変更が可能です。また再変更することもできます。事前にご相談下さい。
 嫁いだ娘さんが継承することも可能です。その際には必ず嫁ぎ先のご家庭のご相談をお願い致します。

第三回終活相談会のご案内
第三回目は広くどなたにでもご参加いただける会として平成30年6月27日に開催する予定です。
 第三回では石材店の方を講師にお招きし、墓石に関する様々な疑問や質問にお答えいただく予定となっております。
詳しくはこちらをご覧下さい。

〈関連サイト〉

  二つの御聖日
釈尊御涅槃会と宗祖御降誕会

 毎年、二月十五日に釈尊御涅槃会(お釈迦様ご入滅の聖日)、翌十六日は宗祖御降誕会(日蓮聖人お誕生の聖日)の法要が営まれています。
 十五日は本殿で「釈尊涅槃図(ねはんず)」を奉掲し、菅野日彰貫首導師のもと本門寺役課職員並びに檀信徒も大勢参列し、読経唱題のご回向が捧げられました。
 涅槃図には横たわるお釈迦様を中心に、弟子や善神、動物や虫などあらゆる存在が入滅を嘆き悲しむ様子が色鮮やかに描かれています。
 翌二月十六日、大堂において菅野貫首導師のもと宗祖御降誕会法要が営まれ、参列した信行会会員と共に報恩の誠を捧げました。
 日蓮聖人は貞応元年(一二二二)、二月十六日、現在の千葉県安房小湊でお生まになられました。お誕生の際、庭先から泉が湧き出し産湯に使ったとされる「誕生水」、浜辺に青蓮華が咲いた「蓮華ケ渕」、海面に大小の鯛の群れが集まった「妙の浦」という「三奇端」が今に伝えられています。
 この「御降誕」という言葉は、単純に誕生を丁寧に表現したものでなく、私たちを衆生を導くという願いと使命をもって、この世に降りてこられたという意味があります。法華経の法師品第十に説かれる「衆生を哀愍し願ってこの間に生れ広く妙法華経を演べ分別するなり」「衆生を愍れむがゆえに悪世に生まれて広くこの経を演ぶるなり」の一節にあるように、「願(がん)生(しょう)」つまり願ってこの世に降りてこられたことを示されています。
 二〇二一年には、ご降誕八百年という記念すべき年を迎えます。日蓮聖人のみ教えを拝受し、法華経とお題目の精神を受け継いでいきましょう。

  微妙庵
初寅祈祷会

 二月十五日(木)、微妙庵で菅野日彰貫首導師のもと初寅祈祷会が営まれました。元来、毘沙門天の縁日が寅の日であることから、一年で最初の寅の日に毘沙門天に参拝すると福徳をいただけると伝えられています。
 午後二時から営まれた法要では、ご参詣の皆さんと共に読経し、お題目を唱和しました。参詣者にはお札と共に縁起物の寅の置物が配られ、一年間の幸福を祈りました。
 また十七日(土)には題目講に先立ち菅野貫首導師のもと庫裡の新築落慶法要が営まれました。今後は微妙庵担当の針原伸広・友美夫妻が庫裡に住み込み、より一層の発展に尽力します。

  長栄堂
拝敷奉納

 二月の長栄堂例祭にあわせ、浅野畳店様より拝敷をご奉納頂きました。
 拝敷とは御本尊前で僧侶が敷いて座す敷物のことで、法要に欠かすことの出来ない大切な仏具です。浅野畳店様には厚く御礼を申し上げます。

  ご苦労様でした
2月の団体参拝

  • 8日 北海道 圓久寺 17名
  • 9日 長崎県 妙照寺 25名 / 長崎県 大法寺 14名
  • 10日 大分県 一乗寺 28名
  • 11日 福岡県 龍潜寺 20名
  • 24日 クラブツーリズム一日学校 100名