菅野貫首写真

教主釈尊は 正直の金言となのらせ給う(松野殿御消息)

 令和七年の始めにあたり、当山檀信徒の皆様、十方有縁緇素(しそ)の皆様、ご一家の皆様に新年のお慶びを申し上げます
。  併せて、一天四海皆帰妙法弘宣流布、各家々内安全、身体健全をお祈り申し上げます。

 先月号で私は宗祖大聖人のご妙判南条殿御返事の「佛の言、むなしからじ」をご紹介させていただきました。この事を思い出して頂き乍ら今月ご紹介の聖語、松野殿御消息を拝していただきたく存じます。
 今月ご紹介の松野殿とは、松野六郎左衛門入道のことで、現在の静岡県庵原(いはら)郡の領主、日蓮聖人六老僧のお一人で蓮華阿闍梨日持聖人の御父君のことであります。この事でもおわかりのように日蓮聖人の大信者のお一人であると同時に、その息女は上野南条七郎殿に嫁し、南条時光、七郎、五郎の母となられ、皆日蓮聖人の大信者で、一門揃って身延の日蓮聖人お供物を届けられ、沢山のご教書、御文をいただき、今日に残っております。
 今月ご紹介の聖語は、建治二年(1276)二月、宗祖五十五才、身延の地からお出しになられたお手紙の一節であります。この時松野殿は、みかんその他種々のお供物を贈られます。その御返事の中で大聖人は、末法に生きる者にとって法華経が「人法第一」一番たよりになる御経である事、それ故自分は数々の大難に遭遇したが、今日までしっかりと守り通している事、この事実は仏陀釈尊のみ教え法華経こそが真実の教えであり、そのお説きになっておられる内容はまさしく金言、正しいお言葉なのであるとお説きになられ、法華経に説かれているご教示の一節が、今月ご紹介の聖語であります。
「私、釈迦牟尼仏亡き後二千年を経過して末法の時代となり、人々は私の教を信じなくなり、世は乱れ、争いが多発、大地は災害をくり返すようになるであろう。この末法の時代に自分は上行菩薩を遣いとして世におくり出し、人々を救済するのである。人々よこの事を信じ安らぎを得なさい、そしてこの事は真実であり、うそ偽りのない正直な言葉、金言なのである」
ここで先月号のご教示「佛の言(ことば)むなしからじ」を思い出し、合せてお考えいただきたく存じます。
「み佛の言(ことば)むなしからじ」「教主釈尊は正直の金言」「それは法華経南無妙法蓮華経のお題目である」こと。私達末法、乱れる世に生きる者にとってかけがいのないみ教えであります。


合掌

日彰