菅野貫首写真

法華経は元品の無明をやぶる(瑞相御書)

令和五年、新しい年の始りにあたり当山檀信徒の皆様、十方有縁緇素の皆様、ご一家の皆様に新年のお慶びを申し上げます。併せて一天四海皆帰妙法佛法流布、家内安全身体健全をお祈り申し上げます。
 池上 日彰
 
 宗祖日蓮大聖人御歳五十四才、身延山から大信者四条金吾殿にお与えになられたと伝えられているお手紙の一節が今回ご紹介の聖語であります。このお手紙の中で大聖人は
「お釈迦さまはこの法華経をお説きになられた時沢山の瑞相(常と異なったすがた)をお現しになられた。その一つが、大地が六種(上下東西南北)に震動、沢山の菩薩が現れ、その代表が上行菩薩であり、お釈迦さま滅後二千年、末法の時代に再出現してこの法華経を弘めようと遺言なさったのである。」
と法華経、お釈迦さま、上行菩薩の事を述べられたあと
「この法華経はご在世の人々よりも、末法の時代の人々のために説かれたお経である事、それを弘められる方は、ご在世中の瑞相でご遺命を受けられた上行菩薩である事」
を末法の時代に生きる法華経修行者の一人として確信なさっておられ、更に
「今世界は動乱の中にある、それは蒙古の大襲撃が世界に広がり、日本にも押しよせ、又天変地異も多発している」
今この時こそが末法の時代であるとお説きになられ、
「今こそ法華経流布の時であり、世界中どの国にも上行菩薩は出現されていない。今この事をお経文の通りに拝読、受持しているのは世界で日蓮ただ一人なのである。」
と、宣言なされた上で今月ご紹介の聖語
「法華経というお経は私達が前世から持ってきた「無明」つまり、沢山の迷い、苦しみ、悲しみ、むさぼり、怒り、おろかさ、修羅、地獄の苦しみを解き放ち安らぎの境地に導いてくれるお経なのである」
とお説きになられるのであります。
 私たちはこの世に生をうけた時から、教えきれない程の悩み苦しみをかかえておりますが、その源をたどればその人自らの元品、元々持っていた「無明」から出ているのである。その迷いの根本「無明」を断ち切り本来の明るさ、安らぎを与えてくれるのが法華経、南無妙法蓮華経のお題目なのである。と日蓮大聖人はお示しになっておられます。私達の「元品の無明」は七百年後の今日も変わっておりません。私たち法華経を信仰する者の使命として世界の「無明」日本の「無明」国民一人一人の「無明」を断ち切るべくお題目の修行に励みなさい。今月の聖語はこのように呼びかけておられます。


合掌

日彰