身に当りて読みまいらせ候いける(転重軽受法門)
令和四年の新春のお慶びを申し上げます。
併せて四海帰妙、法灯高揚、家内安全、身体健全、コロナウイルスの病魔得度退散をお祈り申し上げます。
日蓮聖人はお釈迦さまのお説きになられた、一切経を通読されその中の妙法蓮華経こそが末法に生きる人々を救済する教えであること、その教えの魂は南無妙法蓮華経のお題目であることを悟られ、私たちにそのお題目を心と体で唱えることを勧められました。
年のはじめにあたりご紹介申し上げた聖語で「私は今お題目のこころで行動しているか、それはお題目に照らして恥じないことかと自問自答する生活をしなさい」とのよびかけはまさしく日蓮聖人の限りない慈悲から出たお言葉です。
日蓮聖人はお題目をお唱えすることは一切経、一億二千万字を拝読したこと、法華経一部八巻二十八品六万九千三百八十四文字を拝読した事になるとお示しです。このことは妙法蓮華経如来寿量品第十六に一つの説話で示されております。
ある所に父であり優れた医師が居り、子供たちがあやまって毒薬を飲み、重い病にかかってしまう。早速「良薬」を用意したが子供たちは、何時でも飲めると思い、飲もうとしない。そこで一計を案じ此の「良薬」を今ここに置く。と言い遺し旅に、旅先で父は死んだと仮りの伝言を伝える。子供達は父が居れば何をやっても安心と思っていたのに父は死んだという知らせ、この時に至って初めて子供達は「良薬」に気づき、それを服したところ全員が心と体の病みが治ったと言う例え話です。
その時の「良薬」こそが南無妙法蓮華経のお題目、お釈迦さまの説かれたみ教えの結論であると日蓮聖人は語られました。迷える子とは令和の時代に生きる私達、「良薬」は南無妙法蓮華経のお題目。日蓮聖人はご自身でお受けとめになられ、私達におすすめになっておられるのであります。
くり返しますが「身に当たりて読みなさい」とはお題目のこころに照らして行動をしなさいと言うご教示です。今年はこの心を出発の誓いとしていただきたく存じます。