あなたは日本病にかかってませんか
汝早く信仰の寸心を改めて速やかに實乗の善に歸せよ。然らば則ち三界は皆佛國なり。佛國それ衰へんや。十方は悉く寶土なり。
(立正安国論)
かつて「イギリス病」という時代表現がありました。一九六〇~一九七〇年にかけてイギリスが労働紛争、経済不振から人々は「マンネリ」「怠惰」「無気力」「自己中心主義」に陥ったことを表現した言葉であり、当時のイギリス全体を覆っていた「閉塞感」を打破するため「自信復活」の為になされた提言と受け止めるべきではないか、これは一人、イギリス人だけのことではない。日本だって油断すると、と強く感じ、このことを私はある教誌に書かせてもらいました。この古い言葉をほじくり出しましたのは、昨今の日本がこのイギリス病と同じ症状、情けない状況に陥っていると感じるからであります。
安倍首相は「一億総活躍運動」を呼び掛けております。このことの裏を返せば日本国全体を覆っている「イギリス病」=「日本病」を何とかしたいということの表れと私は受け止めております。
七百年前日蓮聖人は「汝早く信仰の寸心を改めて実乗の一善に歸せよ。」あなたが今持っている既成観念を改めて、本来持っているイキイキとした生き方、法華経的生き方に改めなさい。日本は佛の国、人々の心に佛さまの魂が宿っており必ず救われます。と呼びかけられました。私は日蓮聖人がもし平成の世におられたら、やっぱり同じことを呼び掛けられたのではないかと拝しております。
ちなみに安倍首相は「老人の働ける社会云々」ともおっしゃいます。ところがお役所は、収入のある老人に対し、あなたは収入があるからと言って「健康保険料の割り増し」「病院支払い三割」「年金のカット」等々収入の伴分近くを吸い上げています。これでは老人に働く意欲が出るわけがありません。私はこのことを実感してますので日本病の〝病菌〟の一つはこれ「お役人の既成概念一辺倒。マンネリ」だナと強く思っております。又庶民にも困った保菌者がおります。老人のゴミ屋敷。切れる若者。言葉と文字の暴力。社会をおおういじめ気風。日本全体を覆う無力感、これらの一つ一つが〝日本病の病菌〟であります。病菌ですから菌は一人一人の心の中に在ります。
そこでお考え下さい。自分はこの病菌に侵されていないかと。もしかかっているなと実感あるいは近くに保菌者がおられたらまず池上にお出で下さい。遠くの方は朗峰会舘にお泊り下さい。そして毎月第四金曜日夕方六時から七時半まで行っている、「本門寺大堂での法話と唱題行」にご参加下さい。一発で完治とは申しませんが〝生きる力〟を必ず与えて下さいます。日本病の克服は池上のお祖師さまにお願いなさい、強くおすすめします。日本全体の救済は国民一人一人の救済からと日蓮聖人は言っておられます。