皆さん 悪友と悪知識には気をつけましょう

天台大師釈して云く「若し悪友に値へば則ち本心を失う」云々。本心と申すは法華経を信ずる心なり。失うと申すは法華経の信心を引き換えて余経へ移る心なり。経に云く。「然るに良薬を与うるに而もあえて服せず」等云々。
(兄弟鈔)
先月に続いて池上ご兄弟にお与えになられた御文章をご紹介致します。あて先は池上ご兄弟であり、ご教示の内容も池上ご兄弟への為のおさとしでありますが、現代に生きる私たちへのご教示でもあります。それでは私の理解の中で現代の言葉にしてご紹介致します。
 『中国の高僧天台大師が法華経を解説されて、仰せになられるには、法華経という教えは私たちの人生百般にわたって救済して下さるお経で、生涯離してはならない尊いみ教えであるけれでも、悪友(人生を迷わすことを目標としている悪魔の使い)に会って目先の甘い言葉に迷うと、たちまち本心を失ってしまうと警告されている。〝本心〟と言うのは、法華経を信じ、力強く生きることの出来る心のこと、失うというのは折角持っている法華経の力、み教えを捨てて余経、法華経以外のみ教え、仏教に限らず人を迷わす教え、享楽の教えに迷い込んでしまうことをいうのである。このことを法華経では〝毒に当たって苦しんでいる子供たちの為に父である優れた医者が、色・形・香り・味の良い薬を調合したのに子供たちは折角の薬を飲もうとしない〟と説かれているが、法華経以外の教えに気を取られてしまうということは、折角の良薬を飲まないのと同じこと、しっかりと心にすえて法華経、お題目を信じなさい。』


  少々長くなりましたが兄弟鈔を私の言葉で紹介させて頂きました。〝良薬〟〝良薬は口に苦し〟〝忠言耳に逆らう〟みんな忘れ去られた言葉になってしまいましたが、もう一度蘇って欲しい言葉の一つであります。と申しますのも今私の今申し上げているこの文章そのものが〝良薬〟であるからであります。
 今更、本稿で取り上げる必要も無いことでありますが、イスラムを名乗る殺人集団・テログループ、まさに悪友であり悪知識の塊であります。これほどでなくとも私たちの廻りには悪友、悪知識がウヨウヨとおります。かの振り込め詐欺、まさしく悪友・悪知識です。みんなわかっているのです。そして自分は大丈夫と思っているのです。しかし振り込め詐欺はなくなりません。悪魔の方が上です。又世界各地の争いに比べて日本は一見平和です。ですが孫が祖父母を殺し、同居の女が友人を殺し、ネットでの悪口、学校・会社でのいじめ、青少年の自殺、依然として無くならない路上生活者、町中に溢れる自己主張の嵐、徐々に進行している貧富の差、決して平和では無いのです。今日本は心の戦争の中におります。悪友、悪知識にはくれぐれもご注意なさって下さい。

合掌

日彰