日蓮宗僧風林
第五十一回 池上本門寺沙弥校

 日蓮宗僧風林第五十一回池上本門寺沙弥校(校主・菅野日彰貫首)が7月26日から8月1日にかけて行われ、小学四年生から中学三年生までの四名が集い、一週間寝食を共にしました。
 沙弥校(しゃみこう)とは将来日蓮宗僧侶を志す「沙弥」が僧侶としての基本的な心構えや座作進退の作法・読経・法要式などを学ぶ、いわば僧侶の初等教育機関です。その一日は朝五時半のお勤めからはじまり、清掃、本門寺僧侶による訓話、仏教や日蓮聖人についての講話、読経・声明・法要練習、唱題行といった僧侶としての基礎を学ぶための実践的内容が組み込まれています。また期間中は指導僧が常に付き添い、声の大きさや食事の箸の使い方まで細かく指導します。
 最終日、八月一日の修了式に菅野貫首導師のもと法要を勤め、参列した師僧や家族は一週間の修行を経てひと回り大きくなった子供達の姿に感動し、共に掌を合わせて法要に臨んでいました。連日の猛暑の中、懸命に精進を重ねて日に日に成長する彼らの姿に、僧風教育の意義とそれに携わることの喜びを強く感じる一週間となりました。

  頭痛封じのご祈祷
ほうろく加持

 7月30日(日)長栄堂において毎年土用の丑の日に営まれる「ほうろく加持」が行われました。
 ほうろく加持とは頭痛封じを祈る日蓮宗独自の加持祈祷で、生まれ年を記入した頭痛封じの御守りを頭上に載せ、さらにその上からお盆の迎え火などで使用される素焼きの「ほうろく皿」をかぶせ、「もぐさ」のお灸を据えます。もぐさが徐々に燃え広がり、ほうろく皿を通じて頭を熱していきます。ここに特別な加持祈祷を行って頭痛封じを祈ります。
 全国的に猛暑日が続き、当日もかなりの高温となりましたが、暑さを払うように迫力あるお経が響くと参列者は懸命に祈りを捧げていました。

  大森蒲田仏教会主催
盆供養追悼会

 八月四日(金)の午前十一時より、大森蒲田仏教会主催の盆供養追悼会が本殿にて営まれました。菅野日彰貫首が大導師を務められ、鈴木晶雅大田区区長、大森蒲田仏教会役員、戦没者遺族会が参列しました。
 法要中、菅野貫首はご宝前にて戦没者の慰霊のための表白文を読み上げると共に、相次ぐ災害や疫病、今も尚続く戦争の犠牲者の御霊に回向を捧げました。また鈴木大田区長が追悼の言葉を読み上げ、戦没者の慰霊と共に今日の日本を築き上げてくれた先人へ感謝を捧げました。
 今回はじめての参列となった鈴木大田区長は法要前に菅野貫首と対談。自身が大森大林寺の世話人を務めるなど日蓮宗とのご縁が深いことから、本門寺とより一層連携して大田区の発展を目指したいと抱負を語っていました。

  ご先祖の御魂に回向する
み魂(たま)まつり法要・納涼盆踊り大会

 8月4日(金)午後6時より、大堂に於いて木内隆志執事長導師のもと、み霊まつり法要が営まれました。
 経木(きょうぎ)塔婆(とうば)(小さな塔婆)に先祖代々や思いを寄せる亡き方のお戒名を書き記し、大堂の日蓮聖人の御前にお祀りしてご回向を捧げました。
 当日はご回向を申し込まれた方々が大堂の外陣にて参列し、一心に祈りを捧げていました。
 そして四日(金)・五日(土)の両日にわたり、午後七時より大堂前特設会場において、恒例の納涼盆踊り大会が賑やかに開催されました。
 夜店が軒を連ね、盆踊りの太鼓が鳴り響く境内で、訪れた人々はご先祖様のみ魂と共に「日本の夏」を楽しんでいました。

  涼やかな音色を
五〇〇個の風鈴の音を聴く

 7月2日(土)より22日(土)の期間で、此経難持坂から日蓮聖人像と仁王門周辺を会場に、南部鉄器製の風鈴およそ五〇〇個が吊され、涼やかな音色を響かせていました。
 池上の夏の風物詩として定着し、大勢の方がその様子を撮影していました。

  千葉県北部青年会主催
修養道場を開催

 日蓮宗千葉県北部青年会が主催する修養道場が本門寺を会場に7月24日(月)から25日(火)の一泊二日で開催され、堂で行われた開校式に参列した菅野日彰貫首が子供達へ法話を行いました。期間中は唱題行や写経など修行をすると共に、共に過ごす僧侶との交流も深めるなど貴重な経験となる二日間でした。

  訃報
岡田真水上人ご遷化

平成29年一月号より平成30年三月号まで池上誌にて『白蓮手帖』をご執筆頂いておりました岡山県瀬戸内市妙興寺修徒・岡田真水上人が、七月九日にご遷化されました。上人は東京大学文学部印度哲学印度文学専修課程卒、ドイツボン大にて哲学博士号を取得。兵庫県立大環境人間学部教授、同大名誉教授を務められるなど才あふれる人物でした。謹んで増円妙道をお祈り申し上げます。

  ご苦労様でした
7月の団体参拝

  • 7日 茨城県 蓮乗寺 5名