池上本門寺
歴代法要

 六月十七日(金)午前十一時より、平成二十二年七月十八日、世寿九十七歳にて遷化(せんげ)されました当山第八十一世・本隆院日淳聖人第十三回忌と、平成二十八年二月二十二日、世寿七十九歳にて遷化されました当山加歴第八十四世・常明院日秀聖人第七回忌法要が菅野日彰貫首導師のもと、参与・法類・山内寺院と当山総代はじめ各関係者が参列し法要が営まれました。
 本隆院日淳聖人・田中日淳聖人は第四十八代日蓮宗管長、池上照栄院第百十三世を歴任され、長年にわたり法華経の講義を行う傍ら、シンガポールのチャンギーで処刑されたBC級戦犯の慰霊を続けてこられました。
 常明院日秀聖人・早水日秀聖人は本山・比企谷妙本寺第八十世、池上本妙院第五十九世を歴任され、声明の第一人者として日蓮宗声明師会で後進の育成に尽力されました。
 偉大な功績を残された両聖人を偲ぶとともに、報恩の誠を捧げました。

  全ての御魂に報恩感謝
盂蘭盆施餓鬼会(うらぼんせがきえ)法要

 例年、七月七日に営まれておりました盂蘭盆施餓鬼会法要は新型コロナウイルス感染防止対策として、六日(水)と七日(木)の二日間にわたり開催し、午前十時と午後二時の合計四回の法要を営み、各家の先祖代々の霊位にご回向を捧げました。なお、お檀家の皆様には随時本殿にて幡(ばん)水(すい)香(こう)の供養と共にお塔婆をお持ち頂きました。
 施餓鬼とは餓鬼道に落ちた衆生(餓鬼)を特別なお経文や食事を施して供養する法要の事で、その由来は『仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経(ぶっせつぐばつえんくがきだらにきょう』に説かれています。釈尊十大弟子の一人である阿難尊者(あなそんじゃ)が瞑想中、焔口(えんく)と名乗る餓鬼が現れます。その身体は痩せ衰えて細り、口から火を噴き、喉は針の先のように細い醜い姿でした。餓鬼は阿難尊者に「三日後に死んで、我々と同じ恐ろしい餓鬼道に落ちる」と言い放ちます。驚いた阿難尊者が釈尊に救いを求めたところ、釈尊は「その苦から免れたければ、三宝(仏・法・僧)に供養し、同時に無数の餓鬼たちへ食物を施して供養した功徳によって餓鬼も救われ、さらにその功徳によってそなたも救われるだろう」と告げます。これを聞いた阿難尊者は法会を営み、餓鬼に施しの供養を捧げたことで助かることが出来ました。施餓鬼法要で特別な作法や飾り付けにお供えをするのはこのためです。このご供養によって一粒のお米が八万俵に変わり、無数の餓鬼を救い、その功徳が皆様のご先祖さまにも手向けられると伝えられています。
 七月六日(水)午前十時より本殿にて大導師に菅野日彰貫首、副導師に山村栄慎総務部執事・畑信行庶務部執事、式衆八僧にて法要が営まれました。なお、法要の様子は動画配信サイトのユーチューブにて生中継されました。
 法話の中で菅野貫首は「実は餓鬼道とは私たちの心の中に存在します。〝自分だけ〟という欲得が餓鬼の心なのです。お参りしていただいた際に幡を立て、水を注ぎ、香を焚いていただきました。これにより亡き方々の供養をすると共に、私たちの心の中にある餓鬼を供養され、餓鬼の世界から離れることができるのです」と話されました。また、午後二時からは導師に木内隆志執事長、副導師に宇澤淨進法務部執事・畑信行庶務部執事、式衆六僧にて法要が営まれました。法要後に池上廟へ参拝しました。
 七日(木)も前日同様、午前十時より本殿にて大導師に菅野日彰貫首、副導師に山口顯辰学監・山村栄慎総務部執事、式衆八僧にて法要が営まれました。午後二時から導師に木内隆志執事長、副導師に宇澤淨進法務部執事・畑信行庶務部執事、式衆六僧にて法要が営まれました。法要後に池上廟へ参拝し、二日間にわたる大施餓鬼会法要を円成しました。

  ご苦労様でした
6月の団体参拝

  • 21日 神奈川県県第二部法華和讃会 16名