宗祖日蓮聖人
御降誕八〇〇年慶讃
令和三年二月十六日、宗祖日蓮聖人が小湊の漁村で産声を上げられてから数えて八〇〇年となる、ご正当の聖日を迎えました。
日蓮聖人は貞応元年(一二二二)の二月十六日、安房(あわ)小湊(こみなと)(現・千葉県鴨川市小湊)において、父・貫名(ぬきな)次郎重忠(じろうしげただ)、母・梅菊(うめぎく)のもとにめでたく御誕生されました。「善日麿(ぜんにちまろ)」と名付けられたかわいらしい子が生まれるやいなや、突然庭先より清水が湧き出で、浜辺には青蓮華が花を咲かせ、海面には鯛の大群が押し寄せたという言い伝えが残っています。この湧き出た清水は産湯に使われたことから「誕生水」と呼ばれ、青蓮華が咲き誇った海岸沿いは「蓮華ケ渕」と名付けられ、明応・元禄の大地震で地形が変化してしまったものの現在でもその名が残されています。また、鯛が押し寄せた「妙の浦」では遊覧船が出ており、現在でも深海に住むはずの鯛が海面へ姿を見せる場所となっており、これらは日蓮聖人御誕生の際の奇瑞(奇跡的な出来事)として、現在でも親しまれています。
この記念すべき聖日に、御降誕の霊場である大本山小湊誕生寺にて菅野日彰管長大導師のもと、慶讃大法要が営まれました。菅野管長は法要中にご宝前へ進み出て慶讃文を拝読し、日蓮聖人の御誕生をお祝いするとともに、法華経が末法の世において人々を救済してくださるみ教えと信じ、ご法難多き人生を歩まれたことへあらためて報恩感謝の誠を捧げました。また法要後、菅野管長は法話の中で「私たちは皆が法華経に説かれる地涌の菩薩であることを思い出し、法華経・お題目をもって世界に立正安国・世界平和を呼びかけていきましょう」と語られました。
なお、当日は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、インターネット配信を行い、全国・全世界の僧侶や檀信徒とともにこの良き日を祝いました。
さらに同日、池上本門寺大堂において、宗祖御降誕会が鈴木弘信執事長導師のもと営まれました。大堂のご宝前に三奇瑞にちなみ大きな鯛が奉納され、信行会会員をはじめ、大勢の参列者と共に報恩の読経と唱題が捧げられました。
お釈迦様へ感謝を捧げる
釈尊御涅槃会(ごねはんえ)
毎年、二月十五日にお釈迦様ご入滅の聖日として釈尊御涅槃会、翌十六日は日蓮聖人ご生誕の聖日として宗祖御降誕会の法要が営まれています。
十五日は本殿において縦約三メートル、幅約二メートルの「涅(ね)槃(はん)図(ず)」を奉掲し、菅野日彰貫首導師のもと読経唱題のご回向が捧げられました。
掲げられた涅槃図は、北に枕を向けて横たわるお釈迦様を中心に、仏弟子や守護の善神、動物や虫などありとあらゆる生命たちが入滅を嘆き悲しむ様子を繊細かつ色鮮やかに描き、御入滅の嘆き悲しみを伝えています。また図の上部にはお釈迦様の生みの親である摩耶夫人が阿那律尊者の先導で薬を届けに来る様子や、薬袋が引っかかった沙羅双樹も嘆きのあまり白く枯れ果てた様子が描かれています。
法華経・壽量品においてこの入滅は仮の教えで、お釈迦様は久遠の本仏として私たちをいつも見守って下さっていると説かれています。私たちはいつもお釈迦様の光明に照らされていることを忘れずに、この困難の多い時代を共に歩んで参りましょう。
篤志奉納に感謝を
ご本尊授与式
ご苦労様でした
02月の団体参拝
- なし