全ての御魂に報恩感謝
盂蘭盆施餓鬼会(うらぼんせがきえ)法要

 例年、七月七日に営まれておりました盂蘭盆施餓鬼会法要は、新型コロナウイルスの影響によりお檀家の皆様にご参列頂くのが難しいと判断し、六日(月)と七日(火)の二日間にわたり、午前十時と午後二時の合計四回の施餓鬼法要を営み、各家の先祖代々の霊位にご回向を捧げました。お檀家の皆様には随時本殿にて幡水香の供養を行って頂き、お塔婆をお持ち頂きました。
 本来、施餓鬼とは餓鬼道で苦しむ衆生に特別なお経文や食事を施して供養する法要の事で、その由来は釈尊十大弟子の一人である阿難(あなん)尊(そん)者(じゃ)が瞑想していると、痩せ衰えて枯れ細り、口から火を噴き、髪は乱れ、喉は針の先のように細い醜い姿をした一人の恐ろしい餓鬼があらわれました。焔(えん)口(く)と名乗る餓鬼は阿難尊者に「三日後に死んで、我々と同じ恐ろしい餓鬼道に落ちる」と言い放ちます。驚いた阿難尊者は釈尊に救いを求めたところ、釈尊は「その苦から免れたければ、三宝(仏・法・僧)に供養しなさい。また無数の餓鬼たちに食物をほどこして供養した功徳により餓鬼も救われ、その功徳によってそなたも救われるだろう」と教わり、寿命を延ばすことのできたと伝えられています。施餓鬼法要で特別な作法や飾り付けにお供えをするのはこのためです。このご供養によって一粒のお米が八万俵に変わり、無数の餓鬼を救い、その功徳が皆様のご先祖さまにも手向けられると伝えられています。
 七月六日(月)午前十時より本殿にて大導師に菅野日彰貫首、副導師に鈴木弘信執事長・山口顯辰学監、式衆八僧にて法要が営まれました。法要の様子はお越し頂けないお檀家のために動画配信サイトユーチューブにて中継されました。法話の中で菅野貫首は「お釈迦様のお弟子である阿難尊者ですら餓鬼道へ落ちると告げられました。私たちも無縁ではありません。人の親切を貪ったり、匿名で中傷をしたりしてはいないでしょうか? 餓鬼にならぬよう自分たちの行動を反省し、あらためていくことが肝心です。お施餓鬼の御供養にはそのような面がありますことを知っていただきたいと思います。」と呼びかけました。また、午後二時からは導師に鈴木弘信執事長、副導師に山村栄慎総務部執事・宇澤淨進法務部執事、式衆六僧にて法要が営まれました。法要後に池上廟へ参拝しました。
 七日(火)も前日同様、午前十時より本殿にて大導師に菅野日彰貫首、副導師に山口顯辰学監・山村栄慎総務部執事、式衆八僧にて法要が営まれました。午後二時から導師に鈴木弘信執事長、副導師に宇澤淨進法務部執事・畑信行庶務部執事、式衆六僧にて法要が営まれました。法要後に池上廟へ参拝し、二日間にわたる施餓鬼法要を円成しました。
 なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入り口にて検温と消毒を行い、受付にお並びいただく際には一定の間隔を空け、本院から本殿までの道筋を片側一方通行とさせていただきました。お檀家の皆様のご協力もあり、滞りなく行えましたことに深く感謝申し上げます。あらためて一日も早い終息をご祈念申し上げます。

  七面山団体登詣
中止のご案内

 当山第二祖日朗聖人は永仁五(一二九七)年九月十八日に七面山を登山し、翌十九日に七面大明神をお祀りなされました。七面山敬慎院では九月十九日を開創の日として毎年大祭を執り行っており、当山では日朗聖人の第七百遠忌を慶讃し、団体参拝を行いました。
 爾来、当山では大祭に合わせ七面山登詣団体参拝を予定して参りましたが、本年は新型コロナウイルスの感染が依然として落ち着かず、第二波がいつ来るかもわからないという状況を鑑み、七面山登詣団体参拝を中止と判断させていただきました。
 皆様と共に七面山登詣の団参は断念いたしますが、日蓮聖人へのご給仕の思いと、日朗聖人へのご報恩の誠を捧げるべく、当山の山務員若干名で登詣を果たして参ります。
 世界全体の新型コロナウイルス感染症早期の終息を御祈念し、今後とも池上本門寺の活動に何卒ご理解とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

  本門寺各種行事
段階的再開のお知らせ

 長らくご参加をお控えいただいておりました各種行事が段階的に再開して参ります。詳細は本誌巻末の行事予定をご覧下さい。
 毎月第四金曜日に菅野貫首導師のもと行われております「法話と唱題行の会」八月二十八日開催分は定員五十名にて再開させていただきます。詳細は参拝部までお問い合わせ下さい。
 長栄堂・日朝堂・微妙庵の各お堂で営まれる法要は全てご参列いただけます。それぞれ新型コロナウイルス感染拡大防止の対策を行っておりますので、お越しの際にはご協力のほどお願い申し上げます。
 なお、朗子会館は一部の行事のみの再開となっております。詳細は朗子会館(電話03-5700-3151)までお問い合わせ下さい。

  感染拡大予防にあたり
ご寄進いただきありがとうございます

 新型コロナウイルスの感染拡大防止にあたり、篤信の皆様より池上本門寺へ感染予防用品をご寄進いただきました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

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