平成二十九年 丁酉(ひのととり)歳
新春初詣

 境内に詰めかけた大勢の参拝者の見守るなか、打ち鳴らされた除夜の鐘より響く魔障を払う祈りの音が池上の町を包み込み、新年の幕開けを告げた。つき手だけでなく、聞く人の煩悩も滅すると言われている除夜の鐘を合図に、新年の慶びと御加護を祈るべく菅野日彰貫首導師による新春特別開帳がはじまった。
 参詣者は一様に一年間の幸福への祈りと新たな決意を胸に、お守りやお札を求めていた。また、古いお守りやお札を御焚き上げする人たちも列をなし、旧年中に頂いた御守護に感謝し、丁寧に納めていた。
 昨年は大きな被害をもたらした熊本地震を始めとする事件事故の印象が強い年ではあったが、ひとりひとりの絆が強まり、みなが幸福を感じられるような心温まる年となることを切に願う。

  新年の行事
池上法類(ほうるい)新年会

 一月六日(金)、池上法類新年会が催された。「法類」とは寺院間での兄弟関係のようなもので、池上本門寺を本寺とする末寺の集まりの総称を「池上法類」と呼んでおり、本門寺にゆかりの深い八十ヶ寺以上の住職と、かつて本門寺で修行した学僧のOB会「池友会」の会員が全国より集結した。
 午前十一時から大堂と本殿にて菅野日彰貫首導師のもと法要が厳修され、続いて朗峰会舘へ席を移したのち新年祝賀会が催され、池上法類寺院、池友会会員寺院の発展を祈ると共に、平成三十一年の日朗聖人第七〇〇遠忌、平成三十三年の日蓮聖人御降誕八〇〇年に向けてより一層の結束を誓った。

  納めの唱題行
法話と唱題行の会

 年の瀬迫る十二月二十三日(金・祝)、年内最後の法話と唱題行の会が行われ一二四名が参加した。
 この会は菅野日彰貫首御指導のもと、本門寺の中心たる大堂で日蓮聖人の御魂に面奉し、一心に唱題修行に励む会である。
 夜六時より本門寺で修行する学僧が法話をし、菅野貫首の解説がなされ、お釈迦様十大弟子がどういった方であったかが分かりやすく語られた。その後、唱題行を行う際の心構えついて菅野貫首が詳細に指導。初心者には分かりやすく、上級者には初心を忘れず唱えるよう指導された。
 毎月第四金曜日の夜六時から開催される当会にぜひお運び頂き、生き写しのお祖師様と向き合ってお題目を唱える最上の喜びを共に感じて頂きたい。

  池上の毘沙門様
微妙庵(みみょうあん)題目講

 十二月十七日(土)、微妙庵において納めの題目講が営まれ、菅野日彰貫首導師のもと一年間の御守護に感謝の誠を捧げた。
 この微妙庵は本門寺の境外仏堂で、江戸時代に品川の海から出現したと伝えられる毘沙門天が祀られており、現在では池上七福神に数えられ、おおいに信仰を集めている。毎月十七日がご縁日で、本年最後の題目講を菅野貫首に導師をお勤め頂き、参列者と共に報恩のお題目を捧げた。

  朝参り
精勤賞授与

 十二月三十一日(土)の朝勤後大堂にて本年朝参りに参列者で二百日以上の参加があった八名に精勤賞が授与され、記念品として菅野貫首直筆で「常精進」と書かれた色紙が手渡された。
 菅野貫首からは「朝のお勤めはお釈迦様の説かれた法華経の世界を直に感ずるものです。これからも共に積み重ねましょう」と励ましの言葉を頂いた。

  感謝を込めて
茶筅供養会(ちゃせんくようえ)

 池上本門寺年末の恒例行事である茶筅供養会が十二月二十三日(金・祝)に行われた。
 午前十一時半より大堂にて菅野日彰貫首導師のもと茶筅供養会法要が営まれ、続いて大堂裏で金子元彦執事長導師のもと茶筅をお焚き上げする浄焚式が営まれ、参加者は合掌し、お世話になった茶筅に感謝を捧げていた。
 また、添釜として客殿・長栄の間において裏千家・大田区同門の会による立礼席と、松濤の間において松尾流山科宗悦先生による薄茶席がそれぞれ設けられた。師走の寒さの中、温かな一服とともに心安らぐ一時を堪能した。

  ご苦労様でした
12月の団体参拝

  • 12日 京都府 本瑞寺 15名
  • 14日 新潟県 萬福寺 31名 / 福井県 妙顕寺 10名 / 静岡県 韮山仏教会 15名
  • 15日 日蓮宗秋田県修法師会 8名
  • 17日 大田区異業種交流会 7名