日蓮聖人最期の旅路
宗祖池上御入山会(ごにゅうざんえ)

九月十八日、本山大坊本行寺において池上本門寺・菅野日彰貫首導師のもと、宗祖大坊御入山会が行われた。
 法要には、池上山内寺院をはじめ、総本山身延山久遠寺から、昨年に引き続き吉村明悦法務部長が参列した。
 また、日蓮聖人の大檀越であった池上宗仲公の末裔で、池上本門寺総代池上幸保氏とご家族、大坊本行寺壇信徒、池上本門寺信行会、池上市民大学参加者など、多くの方々の参列があった。
 法要中、病弱になっていた日蓮聖人の為に食べやすく栄養のあるものをという心遣いから、豆腐に当時貴重だったゴマをすり下ろしたものかけた「引きずり豆腐」が池上宗仲公から振る舞われたことに習って、池上幸保氏の長男・池上幸憲氏によって引きずり豆腐が御宝前に供えられた。
 法要後、菅野貫首から法話があり、日蓮聖人のお母様(妙蓮尊儀)が毎日大聖人の為に、大聖人に知られないように御宝前にお食事をお供えされていた逸話が紹介された。また、身延山久遠寺の吉村法務部長からは、日樹上人の復歴について本門寺が尽力したことがお話された。
 法要後参列者には当時の味を再現した「引きずり豆腐」が振る舞われた。

  日蓮聖人の足跡を辿る
学僧霊蹟行脚(あんぎゃ)

池上本門寺の学僧は年に一回、日蓮聖人ゆかりの四つの霊蹟(南房総・鎌倉・伊豆伊東・身延)に参拝しており、本年は九月十六日(金)に南房総を行脚した。
 菅野日彰貫首に見送られ、山口顕辰学監引率のもとバスで池上を出発した学僧十八名は千葉県小湊駅より行脚し、日蓮聖人のご両親が眠る両親閣妙蓮寺へと向かった。妙蓮寺にて山口学監導師のもと報恩読経を捧げた一行は、妙蓮寺より手厚いご供養を頂いた。
 続いて日蓮聖人誕生の地に建つ小湊山誕生寺を参拝。御開帳を受け、宝物館を見学し、橘高智光執事長の法話を拝受した。
 昼食を済ませた後、清澄寺に向け出発。千光山清澄寺は日蓮聖人出家・得度・立教開宗の霊場で、昭和二十四年に真言宗から改宗し、大本山として現在に至る。摩尼殿前で読経後、祖師堂にて御開帳を受け、二宮將泰別当より法話を拝受し、心温まるおもてなしを頂いた。
 当日は台風の影響が心配されたが、日蓮聖人の御加護によって雨に降られることなく無事に終えることが出来た。また、日蓮聖人の母、妙蓮尊儀の七五〇遠忌あたる年に行脚できたことは、大変な喜びとなった。

  横溝総代より
御本尊奉納

 十月四日(火)、池上本門寺総代の横溝健之氏より、両山第四十六世・妙智院日詳聖人本尊(文政七年二月 横溝与惣兵衛伜泰助授与)が本門寺に奉納された。
 昨年十月、菅野日彰貫首晋董記念に御本尊(両山第四十五世・歓喜院日意聖人)を奉納した際と同様に、今回は早水日秀貫首(常明院日秀聖人)の池上加歴を記念して、横溝家伝来の本尊の内より上記本尊が奉納された。
 菅野貫首は「最高のお心遣いを頂き感謝にたえない次第で、日秀聖人も霊山浄土で喜んでいて下さることだろう。横溝家の益々の繁栄をお祈りしたい」と語った。御寄進頂いた御曼荼羅は、来月号の「ご霊宝と文化遺産」のコーナーで詳しくご紹介したい。

  ご先祖様へのごあいさつ
秋のお彼岸法要

秋の彼岸入りの九月十九日(月)午後二時より、本殿において菅野日彰貫首導師のもと、池上奉賛会秋季彼岸会法要が営まれた。法要後の奉賛会総会では、和やかな雰囲気のもと、菅野貫首と会員の親睦が深められた。
 また、九月二十二日(木)の彼岸中日には檀信徒各家先祖代々追善法要が営まれ、一時からは本門寺参拝部、野坂法章師の彼岸法話も行われた。当日は激しい雨の降る生憎の天候だったが、大勢の参詣者が法要に参列し、先祖の霊に供養を捧げたおかげか、法要後には雨もあがり、日が差して清々しい気持ちにさせてくれる天気となった。

  ご苦労様でした
9月の団体参拝

  • 2日 長崎県 日蓮宗青年会 57名
  • 6日 池友会東京結集 25名
  • 9日 山形県 明光寺 32名
  • 11日 神奈川県 円眞寺 23名
  • 14日 長崎県 實相寺 41名
  • 15日 富山県 信行寺 9名
  • 16日 宗務院成人沙弥講習 26名
  • 25日 神奈川県 佛所護念会川崎地区 26名 / 神奈川県 常顕寺 36名
  • 26日 埼玉県 宗務所護法団参・統一信行会 150名
  • 28日 北海道 日登寺 9名
  • 30日 島根県 法蔵寺檀信徒 4名