日蓮聖人の足跡を辿る
随身生(ずいしんせい)行脚(あんぎゃ)

池上本門寺随身生は年に一回、日蓮聖人ゆかりの四つの霊場(南房総・鎌倉・伊豆伊東・身延)に参拝しており、本年は九月十五日(火)に身延の地を行脚した。
 菅野貫首に見送られ、バスで池上を出発した随身生二十一名は、天然記念物に指定されている「さかさ銀杏」で有名な法喜山上澤寺を参拝した後、行脚に出発した。上澤寺は日蓮聖人との法論に敗れた法喜阿闍梨が、毒餅で殺害を企てるものの、白犬が身代わりとなり命を護った。犬を弔うため日蓮聖人が墓標として立てられた銀杏の杖が根を張り、現在の「さかさ銀杏」になったと伝えられている。
 その後は、日蓮聖人が「下山御消息」を宛てた、地頭・下山兵庫五郎光基の館で、日蓮聖人が病気療養のために常陸の国へ湯治に向かわれる際、身延を出発されてから最初に一泊された地に建立された長栄山本国寺。続いて、徳川家康公の側室で、篤い法華信者であった養珠院お万の方の深い帰依を受けた心性院日遠聖人(身延山久遠寺第二十二世・池上本門寺第十六世)が建立された大野山本(ほん)遠(おん)寺(じ)を参拝し御開帳を受けた。
 各寺院で温かいご供養を頂いた随身生たちは身延の町を行脚し、身延山久遠寺正面にそびえる二百八十七段の石段「菩(ぼ)提(だい)梯(てい)」を登り、祖師堂にて御開帳を受けた。最後に西谷の御廟所、御草庵跡に参拝して行脚を終えた。
 日蓮聖人が晩年の九ヶ年を過ごされた身延を巡る行脚は、随身生にとってより日蓮聖人を身近に感じられる貴重な時間となった。

  日蓮聖人最期の旅路
宗祖池上御入山会(ごにゅうざんえ)

齢六十を迎えた日蓮聖人は、弘安五年(一二八二)九月八日に九年間お過ごしになられた身延の地を離れ、病気療養のため常(ひ)陸(たち)国(のくに)へ湯治に向かわれた。その十一日後、檀越(だんのつ)である池上宗仲公の館(現在の池上・大坊本行寺)に立ち寄られるが、同年十月十三日の辰の刻(午前八時頃)にご入滅された。
 毎年、大坊本行寺では日蓮聖人が池上公の館に到着された九月十八日午前十一時半より「宗祖池上御入山会」を営んでいる。
 池上本門寺・菅野日彰貫首導師のもと法要が営まれ、山内・法類寺院、檀信徒、信行会会員らが参列した。また、本年は身延山久遠寺より吉村明悦法務部長が参列した。
 法要中に「献膳の儀」が執り行われ、館に到着された日蓮聖人を池上宗仲公が「ひきずり豆腐」という料理でもてなしたという故事に基づき、現池上家ご当主で本行寺檀家総代の池上幸保氏により、日蓮聖人へひきずり豆腐が供えられた。
 法要後、菅野貫首の法話に続き、久遠寺の吉村法務部長、大坊本行寺の中野日演貫首から身延山と池上とのつながりが
語られた。  また、参列された方々にもひきずり豆腐が振る舞われ、日蓮聖人往時の味を楽しんでいた。

  大好きな犬のために
犬のしつけ方教室

十月四日(日)、本門寺桜広場において、東京都獣医師会大田支部・大田区共催、池上本門寺・イキイキ推進委員会・池上商店街連合会協力による「犬のしつけ方教室」が開催され、会場には大勢の愛犬家が集まった。
 今回は「犬の気持ちがわかるしつけ教室」と題し開かれ、トイレのしつけなどの基本的なことから、無駄吠えや噛みつきなどの問題行動改善について、指導員から犬が何を訴えたいのかを知る具体的なアドバイスを受けていた。
 愛犬と共に生活するうえで、マナーの向上は勿論のこと、大切な命を守るためにも、飼う側の理解がより一層求められる。