白クマ「ピース」
不徳の致すところ、正月行事が一段落した頃、インフルエンザに罹患してしまい自宅療養となってしまいました。職場の皆様には人手不足のなか早々リタイヤしてしまったことで負担を掛けてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいでした。三日程すると熱も下がり回復に向かっている折、NHKの再放送で白クマの特集を放映しておりました。
私自身初めて知ったのですが、日本で初めて白クマを人工で飼育することに成功し、その成長を追ったものでした。母クマは2頭の子グマを出産後子育てができず、1頭は死んでしまいやむを得なくもう1頭を人工的に飼育することになりました。その飼育を任された若い飼育員は24時間体制で、夜は自宅に連れて帰り家族一丸となって世話を続けます。やがて成長していくととても家では面倒を見ることはできなくなり、やむを得なく夜は動物園の檻で過ごすこととなります。愛情いっぱい注がれ育った子グマは離ればなれになるのが嫌で夜通し奇声をあげ続けます。
更に成長すると飼育員に危険が及ぶ可能性が否定できず、園から直接触れての飼育は禁止することを飼育員に伝えられます
飼育員を母親のように懐いていた子グマは益々ストレスがたまり、やがて病を発することになります。
プールで遊ぶクマは突然の発作で意識を失い命の危険が迫ります。その危険を飼育員のとっさの行動で一命を救った場面も放映されていました。
飼育員を本当の母として慕う子グマの姿と飼育員の我が子のように接する姿に感動と心温まる思いをさせていただきました。
日蓮聖人の御遺文『開目抄』には 「孝と申すは高なり。天高けれども孝よりも高からず。又孝とは厚なり。地あつけれども孝よりは厚からず。」とあります。孝の尊さを今一度深く考えていきたいと心に思った次第です。
愛媛県立とべ動物園のHPには25歳になった白クマ「ピース」の元気な様子が見られます。既に高齢の域とのこと、1日も長く元気でいることを願っています。