静かな姿に学ぶ

本年元日に発生した能登半島大地震から6か月。いよいよ半年という時間が過ぎました。
被災された方々の一刻も早い復興を心より祈念しております。
ここ数日だけでも豪雨や急激な気温上昇などが起こっております。まさに自然の猛威、人の力では何ともならないという災害が頻発しているように思えます。 私が入寺の際、記念に桜の木(佐藤錦)を植えました。春になると花を咲かせてくれ、お参りの皆さんが笑顔になってくれていましたが、数年前の大型台風で根本から折れてしまいました。
落ち込みながらご近所のお寺の奥様に何気なく話をしましたところ、「ちょうど蝋梅の稲が育ったので差し上げます」とおっしゃってくださいました。そして頂戴しました蝋梅が、この春3年目ほどで咲き、いい香りをさせ楽しませてくれました。
同じく境内には山椒が植えてあるのですが、なかなか実の付きが少なく、試しにもう1本近くに植えてみたところ途端に沢山収穫できるようになりました。
そんな物言わぬ静かな姿の植物たちを見ていると〝また必ず花を咲かせられるよ、実をつけられるよ〟という前向きなメッセージを伝えてくれているように思うのです。
私たちも自然の中の一人であることを忘れずに、また新たな一歩を踏み出していければと思っております。

合掌

今川高之