「ごんぎつね」
不徳の致すところであり体調を崩し、5日ほど自室で隔離生活を送ることとなりました。
幸いにもたいしたことはなく順調に回復。しかし回復するにつれて限られた空間の中で時間をもてあましながら、ふと本棚をあさっていると昔懐かしい「ごんぎつね」の絵本を発見しました。
改めて読んでみるとあまりにも悲しい結末に感慨深い思いに浸ってしまった次第です。
ごんぎつねのせめてものつぐないにと、こっそり栗や松茸を届けつづけますが、その善意は兵十に伝わらぬままに思いがけない結末をむかえてしまったことに二人に対して同情を抱かざるをえませんでした。
もう少しこの作品について詳しく知りたいと思いネットを検索してみると、意外な感想が寄せられていたことに驚きました。
- 「ごんの悪戯の償いを最後までそれと気づかずに撃ってしまった兵十に同情する。」
- 「ごんが悪戯を素直に謝ればこんなことにならなかった。」
- 「ごんは報いを受けたのであって、ごんが兵十に行なった罪滅ぼしの数々は自分勝手なものであり、最終的に撃たれるのは当たり前」
等々――
ごんに対する同情と、兵十に対する同情に分かれるようです。
それぞれ読む人の感想なのでどれが正しいということではありませんが、思いも掛けなかった意見に驚きと、読む人の感じ方は千差万別であることを改めて感じました。
作者のこの作品に込められた思いとは? 意図するところは?
皆さんの感想はいかがでしょうか? 是非お聞かせください。
児童文学作家の新美南吉の代表作で17歳の時に執筆、18歳の時に発表されました。
合掌
山村栄慎