日々を振り返る…
令和五年、先日お正月の行事を終えたと思っていましたら、節分は昨日のようで、年が明けて二カ月が過ぎ、今月は春のお彼岸が直ぐ近くに迫り、時の流れの早さが刹那の如く感じられます。
温暖化の影響か、春、秋の節目が感じづらくなってきましたが、それでも厳しい寒さの冬のから、暖かい穏やかな春になるその節目、茹だるような暑さの夏から、涼しく過ごしやすい秋になるその節目、その節目になっているのが彼岸であります。
「暑さ寒さも彼岸まで」と申しますように、季節の変わり目、春分の日、秋分の日の前後3日間合わせ、春と秋それぞれ計七日間が彼岸であります。
学頭・市川智康上人の書籍に
春の彼岸は生き物をたたえ、自然を慈しみ、秋の彼岸は、静かに亡き人を偲び、先祖を思う時でもあります。
本来、迷いのこの岸から悟りの彼岸にいたることを願い、生かされていることへの感謝と、自分の身の行いを反省する機会。
また、迷いの「此岸/しがん」から佛様の世界である「彼岸/ひがん」に渡る方法として、
人にほどこす心をもち(布施)
日ごろの行いを反省し(持戒)
困難にたえしのび(忍辱)
ひたすら努力し(精進)
心の安らぎをえて(禅定)
仏さまの智慧をえる(智恵)
これら佛様の世界へ至る六つの行い『六波羅蜜』を心がけることが大事である、とあります。
彼岸の七日間に限らず六つの行いを365日心がける事が重要でありますが、常に心がける事は難しい事であり、彼岸を節目として今一度、我が行いを振り返る事が大切だと思います。
一日、一日の行動と行いを日々振り返り、反省し、翌日に活かす事の大切さを彼岸の月に強く思う愚生であります。
生きているのでは無く、生かされているという事に感謝し、全ての生き物をたたえ、自然の恵に感謝し、御先祖様に繋いで戴いた命、ご先祖に守られていることに感謝し、心あらたに春のお彼岸を迎えたいものです。