病によりて道心はおこり候か

6月下旬、主治医から血液検査の結果、前立腺癌の疑いがあるのでMRIの検査を受けるようにと勧められました。検査の結果癌が判明し、9月4日入院、翌5日AIによる腹腔鏡手術で前立腺の全摘出に成功しました。
 翌日から点滴の袋をぶら下げながら、心の中でお題目を唱えての歩行訓練。日に日に歩行回数も増えて手術後5日で全ての管が外され、担当医の先生から「極めて回復が順調なので明日11日退院です」と告げられました。9月18日から19日にかけて七面山大祭にあわせた報恩登詣に参加する為に体を鍛えてきた事が、こんな形で生かされたのだと仏祖三宝諸天善神に心より感謝しました。
 入院中、夜は思いつくまま闘病記を綴っていましたが、病室の窓に中秋の名月と木星が素晴らしいバランスで私を見守ってくれていることに気がつきました。月天子・明星天子を拝しながら、益々の信心堅固を誓った自分でした。
「月月に、月見る月は多けれど、月見る月は、この月の月」(詠み人知らず)
自分の人生の一里塚を刻んだ入院生活でした。

合掌

学監・布教部執事 山口顯辰