鎌倉殿と日蓮聖人
今年のNHKの大河ドラマは『鎌倉殿の13人』という三谷幸喜さんの作品ですが皆様ご覧になっていらっしゃいますでしょうか?
日蓮聖人が登場するかどうかは分かりませんが、個人的には日蓮聖人の背景を感じながら感慨を持って楽しませていただいております。
ところで、ドラマでも少し紹介のあった鎌倉の妙本寺様が〝日蓮宗最古の寺院〟と言われているのをご存じですか?
「この地は比企能員一族が住む谷戸(やと)であったところから「比企(ひきが)谷(やつ)」と呼ばれています。しかし、比企一族は建仁3年(1203年)に権力保持を目論む北条一族によって滅ぼされました。その争いを「比企の乱」といいます。
比企の乱の時、まだ幼少で京都にいたため生き延びたのが比企大学三郎能本(比企能員の子)でした。能本は、鎌倉の町に立って生命がけの布教をされている日蓮聖人に出会い、「わが一族の菩提を弔って下さるのは、このお聖人しかいない!」と決心し、自分の屋敷を日蓮聖人に献上したのが妙本寺の始まりです。」(妙本寺様HPより抜粋)
ドラマでは鎌倉時代の武士の権力争いが生々しく描かれていてはかなさや切なさを感じる作品だと個人的には思っております。もちろん〝鎌倉殿〟(源頼朝)と日蓮聖人は直接の関係はありませんが、頼朝が興した鎌倉幕府のその後の権力争いから「比企の乱」が起こり、乱の結果が妙本寺様の礎となったという歴史的展開が見えたときは驚きと感動を覚えました。歴史の表舞台に立ち始めた武士達が骨肉の争いを続ける渦中にあって一族を滅ぼされた末子の比企能本が、鎌倉幕府と相対する布教活動を命がけで行う日蓮聖人の姿に感銘を受けたのはごく自然なことだったように思います。
日蓮聖人はもちろん武士ではありませんが、鎌倉時代に自分たちの時代を築き上げてきた勇猛な武士達に引けを取らない勇ましさや力強さを持って布教活動に臨んでいたことでしょう。そんな日蓮聖人の姿が比企能本や人々の心をつかみ、多くの人に法華経が広まっていったのだと納得をしました。
ドラマを通して当時の時代背景を知ることで日蓮聖人の大きな人間性を感じることができました。