春の訪れ
先月のこと、本門寺へ出勤のため自宅を出たところで久しぶりにカエルに遭遇しました。体長15センチほどのかなり大きなガエルです。我が家では時々見かけることがありここを棲家にしているものと思っていました。
以前、そのカエルが自宅前の道路に出てしまったので自宅敷地へもどしたことがありました。(手で触る勇気がないため‘ちりとり’に乗せて元に戻しました)
というのも敷地と道路の間には三段ほどの階段があり、一端外に出てしまうと元に戻ることは困難な状況だと思われたからです。
今回も同じように外に出てしまっていたのですが、生憎通りがかりの女性が珍しそうにスマホで撮影していたので敷地に戻すことは止め、そのまま本門寺へと向かってしまったのです。ところがその日は一日中カエルのことが気になり、無事に元に戻ることができただろうか?人に捕まったり、車にひかれたりしないだろうか? 妻に電話しようかとも思いましたがさすがに嫌がるだろうと思い、仕方なく終礼を迎えるまで待つことにしました。
ようやく仕事を終え自宅へ戻りあたりを見回しましたがその姿はどこにも見えません。どうしてあの時助けてやらなかったのだろうと後悔の念でいっぱいでしたが、このことを後日友人に話すと「それは春の訪れを感じて水場へ移動したんだよ!」とのこと。そう言えばこの辺りには本門寺公園の弁天池や本門寺の松涛園の池もある。
「なるほど」と納得し心のモヤモヤがスッキリ晴れ渡るような気分を得られました。
三寒四温春の足音が近づいていることをいち早く察する生きものの本能に驚くと共に、又寒くなったら新しい家族を連れて無事に戻ってくることを願っています。
合掌
山村栄慎