ひと呼吸
先日あるスーパーでの出来事が書かれたコラムをインターネットで読みました。
買い物客の行列でレジが混み合っていたときの話です。
流れの悪さにお客さんたちが苛立ちを募らせ、文句を言う人まで出てくる険悪な雰囲気の中、店内放送で「レジの応援をお願いします」という業務連絡が流れると、レジの近くにいた女の子が「ガンバレ!ガンバレ!」と店員さんに声援を送りました。すると、それにつられて周りにいた子どもたちも店員さんに声援を送りました。子供たちのその応援をしていた姿が微笑ましく、レジ待ちでイライラしていた人や文句を言っていた人たち全員が和んだというものでした。
子どもの純真な心は、いろいろな思いを抱えている現実的な大人の心を清めてくれるようです。それでなくてもいまはコロナ禍での自粛疲れにより、多くの人が不安やストレスを抱えて生活をしています。その閉塞感やストレスの矛先が、時として周囲の人に向けられ社会問題になっています。
子供は身近な大人をよく見ているといわれますが、このコラムに取り上げられた子供にはむしろ大人が相手の立場になって行動することの大切さに気付かされます。
「袖振り合うも多生の縁」といいます。前世からの因縁により人と人との縁があることが言い伝えられています。自分のことを棚に上げるのではなく、自分が相手の立場ならどうなのか置き換えて考える時間をもてると、温かい心を通わせるご縁を結ぶことができるかもしれませんね。
合掌
伊澤文彦