拝む姿の美しさ

「右ほとけ左衆生と合わす手の、内ぞゆかしき南無のひと声」
私達が仏様を拝む姿をよんでいる歌です。
いきなりですがこの歌は、カレーライスに関係があります。
お話しはカレーの本場であるインドにさかのぼります。
彼の国は「右はきれいな手、左は汚れ物をつかむ手」だそうで、仏跡参拝のおりに右手で食事をする方々を目にした事があります。
そんな彼らも、お参りをするときには左右の手を合わせて、一生懸命に祈りを捧げます。
私達日本人はと言うとどうでしょう。幸せを求めていますが仲々です。
左右の手の様に、幸不幸がいつも別々にある様に思えて苦闘の連続……。読者の皆様いかがでしょうか。
その左右別々の両手を合わせて「南無」と、仏様・日蓮聖人に対した時に「ああ何と尊い事か」と拝む処に一番美しい姿が表われると伝えられています。
カレーライスは夏の定番の一つですが、合掌のお姿によってさわやかさも増すのと存じます。
薬味の中に蓮根も入る福神漬け。是非、忘れないで欲しいと思います。

合掌

執事長 鈴木弘信