ふたつの御聖日
2月となりますと節分を思い浮かべられる方が大多数かと思われますが、私たち日蓮宗を信仰する者にとってはさらに大切な御聖日をお迎えする月であります。
それは2月15日の釈尊涅槃会(お釈迦様が亡くなられた日)と2月16日の宗祖御降誕会(日蓮聖人がお生まれになられた日)の二日間です。
皆様ご存じの通りお釈迦様は仏教の開祖であり、法華経を私たちに遺して下さった大切な大切なお方です。
そのお釈迦様がクシナガラという地において最後のご説法をされ、大勢の弟子たちが見守る中、沙羅双樹(さらそうじゅ)の下で頭を北に向けて右脇を下にし、両足を重ねて静かに入滅(にゅうめつ)されたのです。
その時、沙羅の木は白く枯れ垂れ下がり鶴のような姿になったと伝えられています。
池上本門寺では涅槃図を奉掲し、お釈迦様の御遺徳を讃える法要を営みます。
続いて16日は宗祖御降誕会です。
日蓮聖人は、貞応元年(1222)の2月16日、今の千葉県にあります安房の小湊で、父・貫名次郎重忠、母・梅菊のもとにお生まれになりました。
聖人がお生まれになった時、三つの不思議なこと(三奇瑞)がおこったといわれております。
一つには、安房小湊の海に時ならぬたくさんんの青蓮華が咲きほこり、二つには安房の港に鯛の大群がウロコを輝かせて押し寄せ、そして三つには、お生まれになった産屋の庭先の泉がコンコンと湧き出てきたということです。
また、日蓮聖人は、お釈迦さまの涅槃会2月15日の翌日にお生まれになったという、本当に不思議なめぐり合わせであります。
日蓮聖人は12歳で出家得度をされて以来、仏法を学び、わけても法華経こそが末法の衆生を救う唯一の教えであると確信され「南無妙法蓮華経」お題目弘通に生涯を捧げられました。
令和3年2月16日は日蓮聖人御降誕800年という記念すべき日であります。
是非、本年2月16日に大堂で営まれます宗祖御降誕会にお参り頂き、あらためて日蓮聖人への御報恩を共に捧げようではありませんか。