霜月
今年(平成30年)の夏は、本当に暑い「猛暑」であったと、多くの方が感じたことでしょう。その夏も時季が来ると自然に景色が変わり秋を感じるようになります。池上本門寺では、秋季の彼岸が終わると「お会式」の準備一色になります。お会式の行事期間は3日間ですが、準備・片付けを入れますと、10月はお会式の言葉に集約できるほど大きな行事です。
このお会式行事を私の自坊及び組内寺院では、11月に行っています。
これは農業地域であるゆえに農繁期を避ける為に、旧暦に合わせて行なっています。行事には「お盆」・「彼岸」等のように日程が限られるものも有りますが、お会式は組内寺院同志の協力により行事を行う為に、各寺院の都合により日程を定めて行っています。
11月は旧暦の別名で「霜月」と言いますが、現代の暦でも使用します。
今年は7日が立冬になり、暦の上では冬に入る日です。立冬は、24節気の第19番目。十月節(旧暦9月後半から10月前半)を言います。現在では地球温暖化により、季節感が感じられなくなりつつありますが、着実に季節がやって来る頃です。今までは、季節は徐々に変わって来るものでしたが、昨今は「突然に」・「急に」来るように感じられます。
11月は1年の内で最も変化のある月であると言われています。初旬は「秋晴れ」、そして立冬後は「紅葉」になり落葉を迎えますが、その間には霜の降りる日があり、月末に近くなると初雪もあり、冬到来となります。
私の自坊は栃木県の南部にあり、関東地方では夏は暑く、冬は寒さの厳しい地域です。隣の市には、寒中を過ぎる頃になると、天然のスケートリンクを営んでいる所が、現在も行っています。寒暖の差の大きい地域であればこそ、季節の変化が如実に写し出されます。12月は「師走」であり、今年最後の月になり慌ただしさを感じますが、霜月は年の終わり間近感より、「実りの秋」・「収穫の秋」の集大成である、新嘗祭(勤労感謝の日)が宮中で行われる特別な月です。このような季節感は、東京の池上本門寺では、かなりの違いがあると思われます。池上本門寺では、季節ごとの行事を催して東京における、季節感を表現する活動をしています。