受け継がれていくもの
9月4日京都市山科に在る大本山本圀寺へ十年ぶりに参拝しました。
以前は全山が金ピカでしたが、今はしっとりした雰囲気の落ち着いた感じに様変わりしており、前貫首の伊藤瑞英上人と現貫首の早川英章上人の丹精の結果と直ぐに感じた事です。
本圀寺では八月二十六日から九月九日迄、日蓮宗布教院が開催されており、院生三十五名が日夜高座説教の勉強に励んでおりました。
私は主任講師の塚本智秀上人から「高座説教の儀式と祖伝をしっかり伝えてほしい」と云う要望で布教院へ出向き、十三時半から三時迄の一時間半の約束で本堂の説教台に登高座致しました。ビックリしたのは本堂内にエアコンが四台入って快適な室温になっていたことです。お陰で一時間半、汗もかかずにお話が出来た事は光栄でした。
三十五名の院生が、私の「宗祖の御一代」の繰り弁を聴聞して意欲を燃やし、六年後の宗祖七百五十遠忌に活躍する事を期待して本門寺へ帰って来ました。
こうして若い人たちへ受け継がれていくことは、宗祖日蓮聖人からご覧になられても喜ばれることではないでしょうか。宗祖の御生涯を通じ、法華経の教えを皆さんに感じていただけたならば幸いです。
合掌
山口顯辰