少欲知足

 最近読ませていただいた本の中に、アメリカの製薬会社が開発する新薬の四分の三程が、アマゾンの熱帯雨林で暮らす少数民族の長老やメディシンマンから、伝承的に受け継がれてきた医療技術を聞きとりそれらの微生物や鉱物などを化学分析して人工的に合成して新薬として売り出し莫大な利益を上げていることが書かれていました。
 自然の力、そしてそれらを活用してきた自然と共に暮らす人々の知恵に驚かされました。
さらに、ブラジル政府は、アメリカの製薬会社がアマゾンの長老たちに特許料を支払う制度をつくったが長老たちは「自分たちのもっている知識が人類の幸福のために使われることぐらいうれしいことはなく、その喜びをお金に換えるようなさもしいことはしたくない」と受け取りを拒否する、とありました。これこそ「少欲知足」の実践だと思います。
 人間はとかく目先の勝ち負けや損得にとらわれもっと大切なことを忘れがちですが、佛様の御心に叶った生き方を心掛けたいものです。

合掌

上野智晴